仙台駅近くの「読売仙台ビル」(仙台市青葉区)の解体作業が進んでいる。かつてイオン仙台店が入り、約半世紀にわたり市民に親しまれたビルは、老朽化に伴う再開発のため、昨年5月から解体が始まった。記者がかつて勤務した思い出のビルでもあり、特別に解体現場に密着した。
20トンの重機を空中移動
4月中旬、深夜の青葉通に出向くと、片側4車線のうち3車線が封鎖され、巨大なクレーン車が鎮座していた。このクレーンで、20トンもあるショベルカー5台を屋上までつり上げるという。
作業員が太いワイヤを慎重に取り付け、合図とともにクレーンが動き出す。ショベルカーがふわりと浮き上がり、ケヤキ並木の間をすり抜けながら高度を上げ、屋上に着地。まさに神業である。
屋上の巨大な穴の正体
ビル内部に入ると、屋上に1階まで貫く巨大な穴を発見。かつて階段があった場所をくり抜いた、がれきの投下口だ。上階からがれきを落とし、1階でトラックに積み込んで搬出する。
また、重機が下の階に降りる方法も興味深い。床面を部分的に壊し、がれきをスロープ状に積み重ねて、その上を重機が進む。解体現場ならではの「地産地消」だ。
地下にも秘密が
地下3階では、地下水がしみ出し、水圧でビルが浮き上がるのを防ぐため、床面にコンクリートを流し込み重量を確保していた。場所によっては天井が2メートル低くなっている。
解体後は、商業施設やオフィス、ホテルが入る地上10階以上のビルに建て替えられ、2029年度の完成を予定。地上部の解体は2027年1月に完了する見込みだ。



