広島県で宿泊税が導入開始、1泊あたり200円を課税
広島県内では4月1日より、ホテルや旅館などの宿泊客を対象とした法定外目的税「宿泊税」の導入が正式にスタートしました。この新税制では、1人あたり1泊につき200円が課税されることになります。ただし、1泊の宿泊料金が6000円未満の宿泊客や、修学旅行生など特定のケースについては免除措置が適用されます。
税収は観光振興策に活用、県全体への観光客周遊を目指す
広島県庁によれば、2026年度における宿泊税の税収見込みは約15億7000万円にのぼると試算されています。この税収は、広島市や世界遺産・厳島神社で知られる廿日市市など一部地域に集中している観光客を、県内全体に分散させるための観光振興策に活用される方針です。
具体的な活用計画としては、首都圏のホテルや飲食店と連携して広島県産の食材をPRするフェアの開催、マウンテンバイクのコース整備に向けた取り組みなどが今年度の一般会計当初予算に盛り込まれています。さらに、約5億6000万円が県内各市町に配分され、地域ごとの観光施策に充てられる予定です。
事業者側からは懸念の声も、事務負担増や値上げ感を指摘
一方で、宿泊施設を運営する事業者側からは新制度に対する懸念の声が聞かれます。広島市観光ホテル旅館組合の藤田浩司理事長は、「税徴収の確認業務などによる事務負担の増加が課題」と指摘しました。
特に、1泊6000円程度の比較的安価な宿泊施設では、200円の課税が利用者にとって値上げ感を強く与える可能性があると懸念を示しています。藤田理事長は「今後、事業者の意見を集約し、必要に応じて制度の改善を要望していきたい」と述べ、運用面での課題解決に向けた姿勢を明らかにしました。
広島県の宿泊税導入は、観光振興と地域経済の活性化を目的とした施策ですが、その効果と課題の両面から今後の展開が注目されます。県全体への観光客の周遊促進が実現するかどうか、また事業者への負担軽減策が講じられるかどうかが重要なポイントとなりそうです。



