北海道・道南近海で1日に解禁されたスルメイカ漁は、漁獲が極めて少なく、2日に予定されていた初競りが中止となった。燃料費の高騰が漁業関係者にさらなる打撃を与える中、期待を胸に海に出た漁師たちからは落胆の声が相次いだ。
水揚げわずか2匹、漁師も嘆く
函館市漁協所属の漁師、田原正明さん(66)が水揚げしたのは、わずか2匹だった。「やっぱり、いないのかという感じです。出だしから全く取れないと、精神的に萎えてしまいますね」と、田原さんはため息をついた。
燃料費高騰が追い打ち
中東情勢の悪化により燃料費が高騰し、漁師たちをさらに苦しめている。同漁協が組合員に販売するA重油の価格(1~15日)は1リットルあたり127円30銭で、昨年同期より約27円高い。漁師の鈴木鉄夫さん(74)は「漁に出るだけで燃料費がかかる。しばらくは漁に出ない」と話す。
イカ専門店も影響
2日午前、函館市内のイカ専門店「富田鮮魚店」の店頭には、スルメイカの代わりにヤリイカが並んだ。経営する富田和子さん(76)は「毎年解禁を楽しみにしているので、やっぱり寂しい。また函館にイカが来ると信じてやっていく」と自身を奮い立たせた。
専門家「時期変化と資源量減少」
道立総合研究機構函館水産試験場によると、日本海側のスルメイカは東シナ海で生まれ北上するが、近年は水温変化で産卵時期がずれ、北上が遅れている。昨年の漁は序盤こそ低調だったが、中盤以降は回復した。国立研究開発法人水産研究・教育機構の松井萌主任研究員は「時期の変化だけでなく、そもそもの資源量も減っており、今後道南近海に行き着くイカの量は予想が難しい」と説明する。



