広島県庄原市東城町で5月31日、国重要無形民俗文化財に指定されている「塩原の大山供養田植(たうえ)」が執り行われた。一般観客の前での実施は実に8年ぶりとなり、地元住民ら約150人が参加して伝統の儀式を執り行った。
牛たちによる代かきと早乙女の田植え
この行事は、地元の「小奴可地区芸能保存会」などが主催した。多くの観客が見守る中、鞍(くら)などの装飾で彩られた7頭の牛が田んぼの中をゆっくりと歩き回り、丁寧に代かきを行った。その後、鮮やかな衣装をまとった早乙女たちが横一列に並び、太鼓のリズムに合わせて手で苗を植え付けていった。
保存会会長の思い
同保存会の和田満福会長(74)は、「人口減少が進む中で、このような伝統文化を大切に守り、地域を活性化させていきたい」と語り、継承への決意を示した。
供養田植の歴史と意義
供養田植は、死んだ牛馬の霊を弔い、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する祭りである。江戸時代に既に催されていたという記録が残る由緒ある行事だ。現在は4年に1度公開されており、前回(2022年)は新型コロナウイルス感染症の影響で無観客での実施を余儀なくされた。



