愛知県東三河地域の水不足問題、節水呼びかけ当面継続へ
愛知県東三河地域で深刻化している水不足問題を巡り、大村秀章知事は7日の定例記者会見で、節水の呼びかけを当面は続ける方針を明らかにした。先月中旬に完全に枯渇した宇連ダム(新城市)は、その後のまとまった雨により貯水率が3割程度まで回復したものの、平年の水準までは戻っておらず、依然として節水が必要と判断した。
記録的な少雨がダム貯水率に深刻な影響
昨夏以降の記録的な少雨の影響を受け、東三河地域に水を供給する豊川用水の水源である二つのダムの貯水率が大幅に低下している。水資源機構によると、今年1月の宇連ダムの降水量はわずか1ミリ(平年58ミリ)、2月も70ミリ(同108ミリ)にとどまり、深刻な乾燥状態が続いた。
その結果、宇連ダムは先月17日に貯水率が0%に、大島ダム(新城市)も先月26日に5.2%まで落ち込む事態となった。この急激な貯水率の低下は、地域の水供給システムに大きな懸念をもたらしている。
緊急対策と貯水率の部分的な回復
県や関係機関は、減圧給水の実施や、利水者で構成される「矢作川水利調整協議会」による幸田浄水場から蒲郡市内への送水など、複数の緊急対策を講じてきた。さらに、「天竜川水利調整協議会」の協力を得て、佐久間ダムから豊川水系にいつでも水を供給できる体制を整備している。
先月末から今月初めにかけてのまとまった雨により、状況は一部改善を見せた。7日午前0時時点で、宇連ダムの貯水率は32.2%、大島ダムの貯水率は27.8%まで回復した。しかし、豊川水系全体では平年の8割程度の水準にすら達しておらず、依然として厳しい状況が続いている。
継続的な節水要請と農業への影響
現在、県などは上下水道で30%、工業用水と農業用水で50%の節水を呼びかけている。大村知事は記者会見で、「節水解除はずっと先のことだと思う。状況を見ながら判断していきたい」と述べ、当面は節水が必要との認識を示した。
また、農業関係者に対しては先月27日付で、当面の田植えを延期するよう要請しており、この要請も継続される方針だ。水不足が農業生産に与える影響は大きく、地域経済への波及が懸念されている。
今後の見通しと課題
東三河地域の水不足問題は、気象条件に大きく依存しており、今後の降雨状況によってはさらに長期化する可能性もある。県や関係機関は、貯水率のモニタリングを強化するとともに、緊急時の水供給体制の維持に努めている。
地域住民や事業者に対しては、節水への協力が引き続き求められており、水資源の有効活用と持続可能な管理が重要な課題となっている。今後の天候の推移とダムの貯水状況が、地域の水需給を左右するカギとなるだろう。



