父の被爆体験を絵本に 福岡の女性が平和の思いを次世代へ継承
父の被爆体験を絵本に 福岡女性が平和継承

父の被爆体験を絵本に 福岡の女性が平和の思いを次世代へ継承

被爆80年の長崎原爆の日の翌日に亡くなった父親の被爆体験を、福岡市の岡崎富美さん(55)が挿絵付きの本にまとめました。岡崎さんは、自身の幼少期に被爆に関する写真を直視できなかった経験を踏まえ、誰もが手に取りやすい絵本のようなイメージで作成しました。父の遺志を次世代に伝えるため、クラウドファンディングも活用し、学校や図書館に寄贈する準備を進めています。

9歳の男の子が目の当たりにした悲惨な光景

岡崎さんが作った本「ながさきをさいごに」では、父・満也さんが見た被爆の惨状と生前の訴えがやわらかい文章でつづられています。満也さんは9歳だった1945年8月9日、長崎の爆心地から約4キロの防空壕前で遊んでいるときに被爆しました。全身にやけどを負った人から水を求められ、川では折り重なった遺体を見たのです。半年後、3歳の妹は息を引き取り、一緒に被爆した弟は38歳の時にがんで亡くなりました。

満也さんは、テレビで火事や災害の映像が流れる度に部屋の隅で涙を流し、被爆体験を胸にしまい込んでいました。そんな父の姿を見てきた岡崎さんは、原爆のことを何も尋ねられなかったと振り返ります。

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語り部としての活動と本への思い

約20年前、満也さんは出張先の大阪で阪神大震災の被災者が涙ながらに講演する姿を目の当たりにしました。「つらいからといって話さないのはいけないのではないか」と考え、語り部の活動を始め、小中学校や公民館で講演を重ねました。しかし、圧迫骨折が見つかった一昨年に体調を崩して入院すると、弱音を吐くことが増えました。

岡崎さんは、父が「体験を本にしたい」と話していたことを思い出しました。絵や服飾品の作家活動をしている岡崎さんは、父を励まそうと本にまとめることに決めました。父の机の引き出しにあった数枚のメモを基に、子どもも読みやすいやわらかい文と絵で表現しました。

平和への願いを広める取り組み

岡崎さんは、本を通じて父の遺志を次世代に伝えたいと考えています。クラウドファンディングを活用して資金を集め、学校や図書館に寄贈する計画を進めています。この取り組みは、戦争の悲惨さを風化させず、平和の大切さを多くの人々に伝えることを目指しています。

岡崎さんは、「大きなガイコツと小さなガイコツが目に入り、親子かなと思いました」という父の言葉や、「皆さまにお願いがあります。どうか、戦争をしないでください」という訴えを本に込めました。これらのメッセージは、読む人々の心に深く響くことでしょう。

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