伊勢神宮の式年遷宮に向け「お木曳」の安全祈願、出初式で地域の結束を確認
伊勢神宮の式年遷宮(2033年)に向けた重要な民俗行事「お木曳」が、5月から本格的に始動します。その準備段階として、奉曳の安全と成功を祈願する「お木曳出初式」が4月4日、三重県伊勢市内で盛大に執り行われました。この式典には、式年遷宮用材奉曳本部と奉曳団連合会の役員ら、総勢約200名が参加し、地域社会の結束と伝統継承への強い決意を示しました。
式典での熱いメッセージと浜参宮による心身の清め
式典は伊勢商工会議所で開催され、奉曳本部長を務める鈴木健一・伊勢市長が挨拶に立ちました。鈴木市長は、「お木曳は過去、現在、未来をつなぐ貴重な営みであり、地域社会を再構築する重要な機会です。この伝統を次の世代へ確実に引き継いでいかなければなりません」と力強く述べ、行事の意義を強調しました。続いて、奉曳本部理事長の浜田典保・伊勢商工会議所会頭は、「日本人の心意気と誇りを、未来を担う子どもたちにしっかりと伝えていきましょう」と語り、若い世代への期待を込めました。さらに、神宮の斉藤郁雄少宮司は、「ご神木と共に、皆さんの真心も曳き入れていただくことを願っています」と激励の言葉を送り、参加者の士気を高めました。
式典後、参加者らは同市二見町江の二見興玉神社へ移動し、心身を清める「浜参宮」を行いました。役員らはそろいの法被を身に着け、「祝 お木曳」と書かれたのぼりを掲げ、夫婦岩表参道を約400メートル行進しました。鳥居前では、伊勢神宮奉仕会青年部のメンバーが威勢の良い木遣りを披露し、伝統の技をアピール。本殿では無垢塩草によるおはらいを受け、玉串を奉てんして、奉曳の無事と成功を心から祈願しました。
お木曳の詳細なスケジュールと役木曳の重要性
お木曳は、伊勢神宮の社殿の建て替えなどに使用する用材を神宮に運び入れる民俗行事で、地域の奉曳団が中心となって実施されます。第1次お木曳には、市内72の奉曳団が参加予定です。具体的なスケジュールとしては、奉曳車で外宮へ向かう陸曳が5月9日から11日間、木製のそりで五十鈴川を遡る川曳が7月25日から4日間行われ、いずれも土日曜日に集中して実施されます。
また、お木曳に先立ち、正殿の屋根など重要な部分に使う代表的な用材(役木)を内宮と外宮、別宮に運ぶ「御木曳初式(役木曳)」が、4月12日と13日に営まれます。この行事は、式年遷宮の核心部分を担うもので、より一層の慎重さと敬意が求められます。
今回の出初式を通じて、伊勢神宮の式年遷宮に向けた準備が着実に進んでいることが確認されました。地域一体となった取り組みが、2033年の本番に向けて、伝統を守りながら新たな歴史を刻んでいくことでしょう。



