台風で折れた樹齢1300年超の巨樹「塚崎のクス」の枝が新たな命に ついたてと伝統遊びの棒に再生
樹齢1300年超の巨樹の枝がついたてと伝統遊びの棒に再生 (13.04.2026)

台風被害を受けた樹齢1300年以上の巨樹、その枝が新たな形で再生

鹿児島県肝付町にそびえる国指定天然記念物「塚崎のクス」。この樹齢1300年以上とされる巨樹が、2022年の台風により大きな被害を受けました。しかし今、折れた枝は捨てられることなく、見事に再生され、地域の新たな文化財として生まれ変わっています。

台風14号による深刻な被害

2022年9月18日、台風14号が鹿児島に上陸した際、肝付町では最大瞬間風速28.6メートルを観測。この強風により、塚崎のクスの大きな枝が根元から約20メートルにわたって折れ落ちました。近くの住民が大きな音とともに枝が折れる様子を目撃し、倒れた枝は周囲の歩道に倒れ込み、手すりを破壊するほどの衝撃だったと伝えられています。

塚崎のクスは目通り幹囲約14メートル、高さ約25メートルを誇る巨樹で、日本一の巨樹として知られる姶良市の「蒲生のクス」に次いで、鹿児島県内有数の大きさを誇ります。幹にはハート形の穴があることから、近年では県内外のカップルが訪れる人気の観光スポットにもなっていました。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

町民の声を受けた創造的な再生プロジェクト

枝が折れた後、町民からは「折れた枝を有効活用し、塚崎のクスと分かる形で残してほしい」という強い要望が寄せられました。町教育委員会と生涯学習課はこれらの声を受け、国や県と復旧事業について協議を重ねながら、枝の活用法を真剣に検討しました。

その結果、枝の大きさが一目で分かるついたて2枚と、鹿児島の伝統的な遊び「なんこ遊び」に使用する棒400セットを製作することを決定。今年2月、これらの作品が完成しました。

製作された作品の詳細と展示計画

製作されたついたては直径約1.3メートル、厚さ約16センチという大型のもので、大人4〜5人がかりで運ぶ必要があるほどの重さです。このついたては現在、町立歴史民俗資料館と内之浦銀河アリーナで展示されており、訪れた人々が実際に触れて、クスの大きさや香りを体感できるようになっています。

一方、なんこ遊び用の棒は1セット6本で構成され、町内の各種団体に配布される予定です。なんこ遊びは鹿児島に古くから伝わる伝統遊びで、この取り組みにより、地域の文化継承にも貢献することが期待されています。

地域のシンボルを未来へつなぐ思い

町生涯学習課の清田祥之学芸員(28)は「地域の方々になじみのある塚崎のクスを、何とか形として残すことができて良かった」と語り、プロジェクト成功への喜びを表しています。清田学芸員はさらに、「この取り組みが、単なる災害復旧ではなく、地域の歴史と文化を次世代へ伝える貴重な機会となった」と強調しました。

町では今後も、折れた枝の活用についてさらなる可能性を探るとともに、塚崎のクス自体の保全活動を継続していく方針です。巨樹が地域にもたらしてきた恵みと歴史的価値を、新たな形で未来へ引き継ぐ試みは、多くの人々の共感を呼んでいます。

問い合わせは肝付町生涯学習課(0994-65-2594)まで。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ