愛知県庁本庁舎の屋根が緑青色から赤褐色へ刷新 約70年ぶりの大規模工事完了
名古屋市の官庁街にそびえる愛知県庁本庁舎の屋根が、従来の緑青色から赤褐色へと刷新されました。2022年から続いていた屋根ふき替え工事が、ついに1月末に完了したのです。これは戦後の復元以来、実に約70年ぶりとなる大規模な工事でした。
官庁街のシンボルが新たな色に
愛知県庁本庁舎といえば、洋風の建物に城郭風の屋根が特徴的で、その緑青色は官庁街のシンボルとして多くの人々の記憶に刻まれてきました。しかし今回の工事により、その色が赤褐色へと一新されました。地元住民や通勤者からは、「まだ慣れない」、「かなりの違和感がある」といった声も聞かれます。
使用された銅板は、時間の経過とともに酸化が進み、赤褐色から黒を経て、最終的には緑青色へと変化していく性質を持っています。この酸化によって形成される表面の保護膜が、非常に高い耐久性を生み出しているのです。銅板は古くから寺社仏閣などの建築部材として用いられ、独特の風格をもたらしてきました。
再び緑青色になるまで30年の歳月
専門家によれば、屋根が再びあの特徴的な緑青色に彩られるまでには、およそ30年ほどの歳月がかかると言われています。つまり、現在の赤褐色の屋根が完全に緑青色に戻る頃には、街の風景も大きく変化していることでしょう。私たちは前途を想像しながら、今この瞬間の新たな色合いを目に焼き付けたいものです。
国の重要文化財としての歴史的価値
愛知県庁本庁舎は1938年に完成した鉄骨鉄筋コンクリート造の建物です。帝冠様式と呼ばれる、洋風建築に城郭風の屋根をのせた様式で設計されており、名古屋城や1933年に完成した名古屋市役所本庁舎との調和が図られています。
屋根に葺かれていた銅板は戦時中に供出されましたが、1954年に復元されました。その後、2014年にはその建築的・歴史的価値が認められ、国の重要文化財に指定されています。今回の工事に際しては、許可を得てドローンによる撮影も行われ、新たな屋根の姿が記録されました。
約70年ぶりの大規模工事を終えた愛知県庁本庁舎は、新たな色合いで次の時代への歩みを始めています。銅板の色がゆっくりと変化していく様子は、街の歴史とともに刻まれていくことでしょう。



