〈私の東京物語〉ソコロワ山下聖美教授が語る池上本門寺と文学の原点
ソコロワ山下聖美教授が語る池上本門寺と文学の原点

日本大学芸術学部のソコロワ山下聖美教授による新連載「私の東京物語」が始まった。東京の地を巡りながら、仕事や文学について綴るこの連載。初回は、教授が東京に定住するようになった小学校3年生の頃の思い出を中心に、特別な遊び場だった池上本門寺や洗足池、多摩川の緑地について語る。

団塊ジュニア世代の豊かな子供文化

ソコロワ教授は1972年生まれの団塊ジュニア世代。当時は子供があふれており、祖父母、両親、三姉妹、犬、インコという大家族で暮らしていた。にぎやかな環境の中で、1980年代の子供文化を存分に楽しんだという。通っていた習字教室では、テレビの再放送アニメ「銀河鉄道999」が流れており、筆を止めて見入ったこともあった。また、大嫌いだった歯科医院にも、待合室に置いてあったマンガ「タッチ」を読むために通っていたというエピソードも披露した。

アニメとの意外な縁

この時期、「銀河鉄道の夜」が猫のキャラクターでアニメ映画化されたのも記憶に新しい。監督の杉井ギサブロー氏は当時、テレビアニメ「タッチ」の監督も務めており、後にソコロワ教授は杉井監督と仕事を共にする機会を得たという。その時は想像もしていなかったと振り返る。

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祖父母から聞いた戦時中の話

同居していた祖父母からは、昔の東京の話をよく聞かされた。特に印象深いのは、戦時中に近くへ米国の戦闘機が不時着し、操縦士の男性と一緒に乗っていた女性、そしてワインも落ちてきたという話だ。ソコロワ教授は「歴史の教科書からはみ出るようなこうした話こそが、文学の原点なのかな」と感じているという。

ソコロワ山下聖美(やました・きよみ)教授は、1972年生まれ。日本大学芸術学部教授で、宮沢賢治の研究を30年にわたり続けている。また、林芙美子ら女性作家の研究にも没頭してきた。新著「風の道しるべ 宮沢賢治と現代」(東京新聞の本)が7月下旬に発売される予定だ。

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