関西空港がアート空間に変貌、神戸出身アーティストが監修する「ごちゃ混ぜ」の魅力発信
関西空港がアート空間に、神戸出身アーティスト監修で魅力発信

関西空港がアート空間に変貌、神戸出身アーティストが監修する「ごちゃ混ぜ」の魅力発信

関西の空の玄関口である関西空港の第1ターミナルで、訪れる人々の目を奪うアートプロジェクトが展開されています。通路の壁面に巨大シートで現代アート作品を紹介する「KIX CULTURE GATE Project」は、神戸市出身の現代アーティスト、本橋孝祐さん(36)が企画監修を担当。本橋さんは、「空港を単なる移動拠点ではなく、アートと文化が触れ合う場にしたかった」と語り、プロジェクトの狙いを明かしています。

プロジェクトの始まりと「空港美術館」構想

このプロジェクトのきっかけは、2022年にオープンした「ラウンジKANSAI」の入り口付近に飾る作品を制作したことでした。「アートを感じさせる空間にしたい」という依頼を受け、本橋さんは作品を手掛けました。しかし、制作過程で「絵がたった1枚あるだけでは面白くない」と感じるようになり、新たなアイデアが浮かびます。関西ゆかりのアーティストを巻き込んで、「空港美術館」のようなものを作れないかと考え始めたのです。

旅先で海外の空港を訪れると、展示されたアート作品が地域の文化を視覚的、直感的に伝えてくれることに気づきました。当時はまだ大阪・関西万博の開幕前だったため、世界中から多くの人が訪れる関西空港にアート作品を設置することで、「関西の文化をダイレクトに伝えられるのではないか」と思い立ちました。これが、関西エアポートと協力してプロジェクトを進める契機となりました。

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多様性を重視したアーティスト選びと関西の魅力

プロジェクトでは、関西出身や関西の美術大学を卒業したアーティストらに協力を依頼。年齢層に偏りが出ないように配慮し、ジャンルも絵画ばかりにしないなど、多様性を意識した選定を行いました。本橋さんは、「色んなカルチャーがごちゃ混ぜになりながら、互いが個性を主張し合うにぎやかさこそ、関西の魅力だ」と考え、この多様性をプロジェクトの核に据えています。

プロジェクトは2024年に始まり、これまでに30点以上の作品を紹介。外国人を含む空港利用者が立ち止まるようになり、万博で話題となったBAKIBAKIさんの作品も展示され、SNSに投稿する人も現れています。本橋さんは、「万博が閉幕したこれからこそ、空港で関西らしさを感じてもらう機会が大事だ」と強調。文化がないと地域のアイデンティティーは残らないという信念から、アートを通じた文化発信の重要性を訴えています。

アートが地域の価値を高める役割

アートは老若男女が直感的に理解できるものであり、本橋さんは、アートを通じて「関西の文化はこういうものだ」と伝えることが、地域の価値を高めることにつながると考えています。関西の街中には彫刻などのパブリックアートが豊富にあり、空港で関西の魅力を知った人々が、さらにディープな関西に足を運ぶきっかけを作りたいと語ります。この「空港プラスワン」の魅力を、アートで生み出していくことが目標です。

本橋孝祐さんは神戸市出身で、東京を拠点に絵画や空間制作など様々な作品を手掛けています。現在開催中の「KIX CULTURE GATE Project 第3弾」では、トイレットペーパーに墨を塗って円を描いた版画作品「無常の輪」を出品。日常の消耗品であるトイレットペーパーを用いることで、「この世のすべては儚く流れやすい」という「無常の真理」を表現しています。この作品も、プロジェクトの多様性と深みを象徴する一例となっています。

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