97歳の新聞ちぎり絵作家・木村セツさん、茨城県笠間市で初の大規模原画展を開催
97歳・木村セツさん、茨城で新聞ちぎり絵原画展 (17.04.2026)

97歳の新聞ちぎり絵作家・木村セツさん、茨城県笠間市で初の大規模原画展を開催

新聞ちぎり絵作家として活躍する木村セツさん(97歳、奈良県桜井市在住)の作品を集めた「97歳セツの新聞ちぎり絵 原画展」が、2026年4月18日より茨城県笠間市の笠間日動美術館で始まりました。この展示会では、セツさんが一つずつ手づくりした約180点の作品が公開されており、関東地方でこれだけの規模で展示されるのは初めての試みです。展示は7月20日まで続けられます。

身近な食材を題材にした親近感あふれる作品群

展示会では、食べることが大好きなセツさんらしく、茨城での開催を記念して特別に制作されたレンコンや自然薯(じねんじょ)を描いた作品が注目を集めています。その他にも、木の写真を活用したブロッコリーの作品、配色バランスが絶妙な鍋焼きうどん、人の集合写真で皮のざくざく感を表現したタケノコなど、日常生活に根ざした身近な物をハガキ大で表現した作品が並びます。これらの作品は、生活感を感じさせる親近感のあるテーマを扱いながらも、シュールな一面も併せ持っています。

90歳で始めた創作活動と家族の支え

セツさんは2018年に夫の弘さんを亡くし、落ち込んでいたところを長女の幸子さんが勧めて、90歳で新聞ちぎり絵を始めました。毎日自宅で制作に取り組み、色ごとに保存した新聞紙をちぎり、ピンセットとのりを使って台紙に張り付けていく手法で作品を生み出しています。作品には、QRコードでスピーカーを描いたラジオや、活字部分で立体感を出したホイル焼きなど、文字や写真が巧みに隠されており、見る人を楽しませます。

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孫のいこさんが作品を交流サイト(SNS)に投稿したことで話題となり、作品集がヒット。全国各地で展示が行われるようになり、2023年には東京新聞本社ロビーでも披露されました。今回の展示会は、美術館長の娘がこれまでの展示を見て「ぜひうちでも」と提案したことがきっかけで実現しました。

家族のつながりを感じさせる展示内容

展示会では、家族で喫茶店を営んでいた頃の人気メニューや、弘さんが好きだったビールなどの作品に加え、家族で語らいながら制作する様子を収めた動画も紹介されています。さらに、幸子さんの書画やいこさんと共作した絵本なども披露され、セツさんと家族の深い絆を感じさせる内容となっています。セツさんは展示に際し、「茨城は奈良から遠いから行けなくて残念です。体のつづく限り、喜んでいただけること考えながらこれからもちぎり絵つくりたいと思ってます」との言葉を寄せています。

関連イベントとPR活動

担当学芸員の大友綾乃さんは、「身近な物を題材にした親近感のある作品には、シュールな一面もある。期間中、近くでつつじまつりや陶炎祭があるので、ぜひ家族で立ち寄ってほしい」とPRしています。作品集を出版してきた「里山社」の清田麻衣子さんは、「絵に隠れた文字や模様など、見れば見るほどセツさんなりのユーモアが浮かぶ。目を凝らして見て」と呼びかけています。

展示に合わせて、作品のポストカードや缶バッジ、トートバッグなどが館内で販売されます。また、6月6日には新聞ちぎり絵の制作体験イベントが催される予定です。予約や問い合わせは笠間日動美術館(電話0296-72-2160)まで。美術館は原則月曜休館ですが、5月4日は開館します。

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