日本相撲協会は、スイスの高級時計ブランド「チューダー」と世界的なパートナーシップを結び、夏場所開幕前日の9日、東京・両国国技館で調印式を開催した。先の春場所で優勝し大関に復帰した霧島も出席し、協会がグローバルパートナー契約を結ぶのは初めてとなる。
チューダーが相撲を支援する理由
ロレックスの姉妹ブランドとして知られるチューダーは、若者やファッション業界で人気を集めている。なぜ日本相撲協会と提携するのか。関係者への取材から、両者の思惑が浮かび上がった。
大関・霧島への特別対応
セレモニーでは、日本ロレックスの渡辺尚有チューダー事業部長から霧島に腕時計「ブラックベイ68」(価格75万6800円)が贈られた。チューダー関係者によると、「一般男性の手首の周囲は17~18センチ程度だが、大関は23.5センチと太いため、通常のブレスレットでは入らず、コマを三つ追加して調整した」という。
堅牢なイメージと世界的な可能性
日本ロレックスの幹部は「チューダーの堅牢でタフな時計と大相撲のイメージは合う」と説明。これまでラグビーのニュージーランド代表「オールブラックス」との協業モデルを発表してきた実績がある。一方、大相撲の世界的知名度はラグビーより劣るが、昨年のロンドン公演での熱狂を受け、スイス本社幹部が提携に前向きになったという。
大相撲の海外展開とチューダーの戦略
大相撲は6月中旬にパリ公演を控えており、今回のパートナーシップはその前倒し発表となった。渡辺氏は「夏ごろまでに大相撲関連の新作時計を発表する予定だが、パートナー締結を公演前に公表したかった」と述べ、パリ公演中にチューダーのプロモーションを計画していることを示唆した。
相撲協会の自信と今後の展望
相撲協会の出羽海親方(事業部長)は「世界中に大相撲の伝統と魅力を伝える確かな一歩」とコメント。事務局職員は「過去にもグローバルスポンサーの申し出はあったが、イメージや条件が合わず断ってきた。しかし昨年のロンドン公演で自信をつけ、チューダーからの提案はありがたかった」と振り返る。協会は来年以降も海外公演を視野に入れており、チューダーの渡辺氏は「ニューヨークなどでの大規模公演も将来的にあり得る」と期待を寄せた。



