堀島行真、スピードへの恐怖心を抱えながら果敢に攻め銀メダル獲得
2026年2月15日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのスキー男子デュアルモーグル決勝が行われ、堀島行真選手が銀メダルを獲得しました。決勝では、絶対王者として知られるミカエル・キングズベリー(カナダ)と対戦し、最後の最後でスピードを制御しきれない局面もありましたが、果敢な攻めを見せました。
デュアルモーグルの高いスピード次元に挑戦
堀島選手はデュアルモーグルについて、「スピードの次元が(モーグルより)一段階上がる」と語っています。この日の決勝では、第1エアの後に限界まで上げたスピードにのみ込まれ、中間セクションで板を抑えきれない状況に。第2エアでは暴走気味に突入し、技をかけることができないまま着地し、完敗の形で銀メダルとなりました。
3日前のモーグル種目では2大会連続の銅メダルを獲得していましたが、堀島選手には満足感はありませんでした。競技終了直後から、視線はデュアルモーグルに向いていたといいます。「まだ金のチャンスはある。やり返したい」という強い思いを抱えていました。
大けがからの復活と「コーク1440」の習得
昨年3月の世界選手権では、デュアルモーグルの準決勝でスピードを出し過ぎたため、第2エアの着地で転倒。左足の靱帯を痛める大けがを負いました。リハビリを経て、練習が再開できたのは4カ月後の昨夏のことでした。
2年前から拠点とするノルウェーの室内練習場では、軸を斜めに4回転する大技「コーク1440」の習得に励みました。この技の成功者は世界でもわずかです。スピードに乗った第2エアで成功させるため、昨夏の練習では1日6本をノルマに、計100本飛んで感覚を体に染み込ませてきたのです。
小学生時代の約束を胸に、4年後の金メダルへ
堀島選手は現在もスピードへの「恐怖心はある」と認めています。それでもこの日の決勝では、その恐怖心を乗り越えて果敢に攻めました。
モーグルと出会った小学4年の頃、「オリンピックで金メダルを取る」と自分に誓い、親や先生、友だちにも宣言して回ったといいます。大けがや逆境を何度も乗り越えられた理由について、堀島選手は「あの時の自分を裏切りたくない」からだと語っています。
3度目のオリンピックとなった今回、金メダルに手の届きそうなところまでは来ました。堀島少年との約束は、4年後の次の舞台へと続いていくのです。
決勝を滑り終えた後、3位のマット・グレアム選手にねぎらわれる堀島選手の姿が印象的でした。絶対王者キングズベリーに追い続けられた戦いでしたが、攻めた末の銀メダルは、今後のさらなる飛躍への確かな一歩となったでしょう。