ミラノ・コルティナ五輪 男子500メートル 森重航10位 新たな滑り挑戦も序盤スピード不足
ミラノ五輪 男子500m 森重航10位 新滑り挑戦も序盤スピード不足

ミラノ・コルティナ五輪 男子500メートルで日本勢が苦戦 森重航は10位に沈む

2026年ミラノ・コルティナオリンピックのスピードスケート男子500メートルが14日に行われ、日本勢が厳しい結果に終わった。新濱立也(高崎健康福祉大職)が34秒466で6位入賞を果たしたものの、かつて「お家芸」と称されたこの種目でのメダル獲得はならなかった。優勝はジョーダン・ストルツ(米国)が五輪新記録となる33秒77で制し、圧倒的な強さを見せつけた。

森重航の悔しさと困惑 序盤のスピード不足が響く

日本チームのエースとして期待された森重航(オカモトグループ)は10位、倉坪克拓(長野県競技力向上対策本部)は19位に終わった。レース後、森重の表情には悔しさと困惑の色が浮かんでいた。「持てるものは出した。なぜタイムが出なかったか」と自問する言葉からは、納得のいかない心境が伝わってくる。

レース序盤でスピードを作ることができず、100メートル通過時点では11位と出遅れ。その後も普段の伸びを見せることができず、10位に沈んだ。この結果は、日本男子スピードスケート界にとって大きな課題を突きつけるものとなった。

新たな滑りへの挑戦とその代償

今シーズン途中、森重はカーブの滑り方を大胆に変更していた。コーナーワークは彼の最大の武器であり、それを崩すことには当初抵抗もあった。しかし、「今のままでは世界で勝てない」という強い危機感から、新たな技術への挑戦を決意した。

強敵ストルツの映像を徹底的に分析し、コース取りや足首の角度など細部にわたって改良を加えた。しかし、1月のワールドカップでは新たな滑りで得た加速に耐えきれず転倒し、五輪前に左膝を負傷するアクシデントに見舞われた。

「滑りをつかみかけていただけに、そこで少し歯車が崩れたかな。詰めが甘かった」と森重は振り返る。この怪我が調整の狂いを招き、五輪本番では満足できる滑りを披露することは叶わなかった。

攻めの姿勢を貫いた結果と未来への決意

それでも森重は、金メダルを目指して攻めの姿勢を崩さなかったことを強調する。「できる100%の準備はした」と後悔はないと語る一方で、今回の完敗は日本男子スケート界全体への警鐘となった。

「日本男子および自分自身、もう一、二段階は成長しないと」と気丈に語る森重の姿からは、エースとしての責任感がにじみ出ていた。かつての「お家芸」と呼ばれた栄光を取り戻すためには、さらなる進化が不可欠であることを痛感させる結果となった。

女子団体追い抜きは好スタート

一方、女子団体追い抜き1回戦では、高木美帆(TOKIOインカラミ)、佐藤綾乃(ANA)、堀川桃香(富士急)の3人で臨んだ日本チームが全体2位の好タイムをマークし、順調に準決勝へ進出した。日本スピードスケート界は、男子の苦戦を女子の活躍で補う形で五輪初日を終えた。