岩手県、クマ出没情報をLINEでリアルタイム共有する新システムを4月から運用開始
急増するクマの出没や被害に対応するため、岩手県は2026年4月をめどに、ツキノワグマの出没情報を可視化する新たなシステムの運用を開始します。このシステムでは、県の公式LINEアカウントを通じて、クマの目撃情報を登録し、内容をリアルタイムで共有することで、被害防止に役立てることを目指しています。
システムの詳細と利用方法
クマを目撃した場合、ユーザーは岩手県の公式LINEから、見つけた日時や頭数などの情報を入力し、地図上の目撃場所をタップして登録します。登録された情報は即時に反映され、誰でも確認できるようになります。これにより、地域住民がクマの出没状況を迅速に把握し、安全対策を講じることが可能となります。
また、各市町村への電話通報も引き続き受け付けており、通報があった場合には、各市町村の担当者が代わりに入力する仕組みです。さらに、自宅や職場など事前に知りたいエリアを登録しておくと、その地域にクマの出没情報が登録された際に通知を受け取れる機能も備えています。
開発と運用の背景
このシステムは、八幡平市のIT企業「ゴールデンフィールド」が開発した「Bears(ベアーズ)」と呼ばれるものを導入して運用されます。同市の公式LINEでは2024年4月から既に運用が始まっており、金野利哉社長は「市町村をまたいで移動するクマを一元的に管理することができ、自治体の業務効率化にもつながる」と期待を寄せています。
4月からの本格運用を前に、盛岡市では2日、市町村の担当者を対象にした利用方法の説明会が開催されました。オンラインを含め27人が参加し、操作手順などを確認しました。県自然保護課の岩渕美保特命課長は「システムを活用して、自分がいる場所や行きたい場所の状況を事前に確認し、安全確保に努めてもらいたい」と述べています。
ガバメントハンターの発足
岩手県は同日、クマの出没による被害の拡大を受け、狩猟免許を持つ職員「ガバメントハンター」の発足式を行い、運用を開始しました。昨年、クマが市街地で大量出没したことを受け、有害捕獲経験者を対象に募集を開始し、面談などを経て5人を会計年度任用職員として採用しました。
ガバメントハンターは週4、5日勤務し、県の捕獲事業に携わるほか、市町村の緊急銃猟や有害捕獲の支援、ハンターの捕獲技術向上に向けた研修会などを開きます。発足式で達増知事は「クマが市街地にも出没し、県民の不安が増している。5人の知識や経験を生かしてもらいたい」と期待を込めました。
今回採用された盛岡猟友会の袴田亮さん(66)は、2020年から野生動物の捕獲に従事しており、「県民の安心、安全のために貢献していきたい」と意気込みを語りました。



