災害避難所のトイレ環境改善へ トイレカー派遣協定広がり衛生面向上
災害避難所のトイレ環境改善 トイレカー協定広がる

災害避難所のトイレ環境改善へ トイレカー派遣協定広がり衛生面向上

災害時の避難所では、長らくトイレの劣悪な環境が深刻な問題となってきました。10年前の2016年4月14日と16日、2度の震度7を観測した熊本地震では、熊本県内の各避難所に被災者が殺到し、数日で便器は汚れ、仮設トイレも不足する状況が発生しました。当時の取材では、医師が「このままでは健康被害が出る」と危機感を強めていたことを思い出します。

能登半島地震で注目されたトイレカーの導入

一方、2年前の能登半島地震では、一部の避難所で衛生面に配慮したトイレを搭載した車両「トイレカー」が注目を集めました。このトイレカーは水洗式で臭いが少なく、温水洗浄便座を備えています。さらに、汚水タンクが満杯になれば処理施設まで運転して運ぶことも可能という利点があります。

兵庫県南あわじ市は2020年にトイレカーを導入し、被災した石川県珠洲市に派遣しました。南あわじ市危機管理部長の阿部志郎さん(54)は「被災者に少しでもほっとできる空間を届けたかった」と当時を振り返ります。

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6市町でトイレカー派遣協定を締結

2026年3月末、南あわじ市などは珠洲市を含む6市町と災害時のトイレカー派遣に関する協定を結びました。この協定により、被災時に迅速なトイレ環境の提供が可能になることが期待されています。

元神戸学院大学教授で避難所環境に詳しい松山雅洋さん(72)は次のように指摘します。「熊本地震でも能登半島地震でも、仮設トイレの設置には時間がかかりました。衛生面の改善には従来の対策だけでなく、トイレカーのような新たな発想も必要です」

全国での普及と今後の課題

現在、トイレカーは全国の自治体で200台以上導入されているとみられますが、まだ十分な数とは言えません。災害時にどの避難所でも快適なトイレ環境が実現するためには、さらなる普及と広がりが求められています。

被災者の尊厳と健康を守るため、トイレ環境の改善は重要な課題です。トイレカーのような革新的な取り組みが、今後も全国に広がっていくことが期待されます。

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