阪神大震災の教訓生かす兵庫県警、南海トラフ地震に備え「施設課」新設で耐震強化
兵庫県警が施設課新設、南海トラフ地震に備え耐震化推進

阪神大震災の教訓を活かし、兵庫県警が南海トラフ地震に備えて「施設課」を新設

新年度が始まった4月1日、兵庫県警察本部において、警察署や交番などの施設管理を専門に担う「施設課」が新設され、発足式が行われました。この新部署は、南海トラフ地震のような大規模災害が発生しても、迅速な警察活動を継続できるよう、老朽化した施設の対策を強化し、長期的な整備計画の策定に着手することを目的としています。

施設課の体制と役割:従来の10人体制から約40人へ拡充

施設課は、これまで会計課の一部として約10人で運営されていた施設係を独立させ、約40人体制に拡充しました。兵庫県内には46の警察署に加え、交番や駐在所が合計約630か所存在しますが、これらの施設は次々と耐用年数を迎えており、管理担当者の負担が増大していました。今後は、施設数の削減やコスト削減も視野に入れながら、効率的な運営を目指します。

発足式では、小西康弘本部長が「警察施設は警察活動を支える重要なインフラです。いかなる状況下でも警察機能が最大限に発揮されるよう、全力を尽くしてください」と訓示しました。施設課の坂本久課長は「治安情勢や自然災害、社会情勢の変化を考慮した施設整備を着実に推進していく」と決意を表明しました。

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全46署の耐震化計画:2031年度完了を目指す

施設課は今年度、耐震基準を満たしていない神戸北署と生田署の庁舎建て替え事業を推進します。関連経費が盛り込まれた兵庫県の今年度当初予算が成立したことで、全46署の耐震化は2031年度にも完了する見通しとなりました。

国は1981年、震度6強から7クラスの地震でも倒壊しない強度を求める「新耐震基準」を導入しました。兵庫県警は旧基準で建設された施設の改修や建て替えを進めてきましたが、神戸北署と生田署は耐震性が不十分なまま残されていました。

  • 神戸北署:1975年に建設され、大規模地震での倒壊リスクが指摘されています。署員数が建設時から2倍以上に増加し手狭になっているため、北隣の市営住宅跡地に新庁舎を建設し、延べ床面積を2倍に拡大します。2030年度の完成・移転を目標に、今年度から用地取得や設計委託を開始します。
  • 生田署:神戸北署の2年後に建設され、県警本部隣に建設中の仮庁舎へ今夏にも移転予定です。現庁舎は年度内に解体工事を始め、同じ場所に新庁舎を建設します。2030年度末の完成と2031年度の供用開始を見込んでいます。

旧耐震基準の交番・駐在所約100か所で耐震性調査を実施

一方で、旧耐震基準で建てられた交番や駐在所も約100か所残っており、施設課はこれらの建物の耐震性調査を進めています。阪神大震災では、兵庫署が全壊し、署員1人が犠牲となる痛ましい事故が発生しました。当時、県警職員として1年目だった坂本課長は「活動拠点が失われれば、救助活動にも大きな影響が出ます。建築資材の高騰などの課題はありますが、耐震化事業を確実に軌道に乗せていきたい」と語り、災害への備えの重要性を強調しました。

この取り組みは、阪神大震災の教訓を活かし、南海トラフ地震など将来の大規模災害に備える兵庫県警の決意を示すものです。警察機能の維持を通じて、地域の安全と安心を守るための基盤強化が進められています。

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