クマ出没時の緊急捕獲体制、全国で整備へ 政府が2030年までの工程表案を策定
政府が検討しているクマ被害対策のロードマップ(工程表)案の概要が判明した。全国で相次いだ深刻な被害を受けて、クマが恒常的に生息する地域では、2030年度までに緊急的な捕獲対応が可能な体制の整備を進め、個体数管理を強化する方向で検討が進められている。近く関係閣僚会議で正式に決定される見通しだ。
生活圏に入り込むクマ、過去最悪の人身被害が続発
過疎化の進行により緩衝地帯が減少し、クマが人間の生活圏に頻繁に入り込む事態が発生している。昨年は過去最悪の人身被害が報告され、地域社会に大きな不安が広がった。専門家は「飛び火を消しても火元がくすぶり続ける状態」と指摘し、根本的な対策の必要性を訴えている。
政府のロードマップ案、三つの柱を明確に
政府関係者によると、ロードマップ案では2030年度までの具体的な目標として、以下の三つの対策を盛り込む方針だ。
- 各自治体における出没時の緊急的な捕獲体制の整備
- 各地域の推定個体数や目標とする捕獲個体数の明確化
- 自治体による人とクマのすみわけを図る「ゾーニング」計画の策定
個体数調査を国が主導、統一手法で全国展開へ
個体数の調査と推定については、これまで都道府県が主体となっていたが、2026年度からは政府が全国で統一した方法で取り組む計画だ。まずは東北地方で調査を開始し、その後は他の地域へも順次展開していく。冬眠明け前後でクマの居場所を把握しやすいとされる春季の捕獲を強化するとともに、捕獲後の処理に関する支援も拡充する方針である。
人的被害防止へ、総合的な対策が急務
人の生活圏へのクマの出没を防ぐ取り組みは、地域の安全確保にとって喫緊の課題となっている。政府は今回の工程表案を通じて、自治体間の連携を強化し、効果的な被害防止策を全国的に推進していく構えだ。人口減少が進む中で、人と野生動物の共生を図る持続可能な方策が求められている。



