クマ出没時の緊急銃猟対応マニュアルを養父市が作成、机上訓練で実践手順を確認
兵庫県養父市は、クマが人の生活圏に出没した際に市町村の判断で発砲が可能となった「緊急銃猟」の運用マニュアルを作成し、3月10日に机上訓練を実施しました。この訓練では、猟友会メンバーらで構成される市鳥獣被害対策実施隊員への出動要請や、地域住民の安全確保の進め方など、具体的な手順が確認されました。
改正鳥獣保護法に基づく新たな対応体制
緊急銃猟は、昨年9月に施行された改正鳥獣保護法によって導入された制度です。養父市のマニュアルでは、緊急銃猟が必要と判断された場合、産業環境部長をトップとする初動・現地本部を設置し、市鳥獣被害対策実施隊員に連絡するとともに、県や警察への応援要請を行います。さらに、クマの位置や発砲方向を関係者間で共有し、避難誘導や交通規制を実施するなど、迅速かつ安全な対応が求められます。
具体的な想定で実施された机上訓練
机上訓練には、市職員や南但馬署、但馬県民局朝来農林振興事務所の職員ら約20名が参加し、養父市広谷の養父公民館で行われました。訓練では、公民館近くの倉庫にクマが立てこもったとの想定のもと、参加者は捕獲班、避難誘導班、交通規制班などに分かれ、現場の写真などを参照しながら手順を確認しました。このような実践的な訓練を通じて、緊急時の連携体制の強化が図られています。
クマ出没の現状と体制整備の重要性
市によると、養父市内のクマ出没情報は、餌となるドングリが凶作だった2024年度に192件、2025年度は2月末時点で31件報告されています。細田誠也産業環境部長は、「クマの出没はドングリの状況次第で変動し、予測が困難です。そのため、あらかじめ体制を整備しておくことが極めて重要だ」と述べ、継続的な対策の必要性を強調しました。
養父市では、今後もマニュアルの見直しや訓練の実施を通じて、クマ被害への迅速な対応体制を維持・強化していく方針です。これにより、地域住民の安全確保と、野生動物との共存に向けた取り組みが進められています。



