紀の川の旧河西橋で撤去作業中の落橋事故、業者の安易な補強材撤去が原因と判明
和歌山市で昨年12月、撤去作業中だった旧河西橋の一部が紀の川に落下した事故を巡り、市は施工業者が市の承諾を得ずに計画と異なる手順で作業を進め、橋桁の強度が低下したことが原因だと明らかにしました。この事故により、業者は1か月間の指名停止処分を受けています。
事故の経緯と背景
旧河西橋は紀の川に1914年に架けられ、老朽化などのため架け替えが行われました。新しい橋が昨年8月に開通し、旧橋は通行止めにして撤去作業が進められていました。しかし、2025年12月5日、鋼製の橋桁など約40メートルが突然紀の川に落下する事故が発生しました。幸いにもけが人はいませんでしたが、周辺の船の航行が一時制限されるなど、地域に影響を与えました。
原因は業者の計画逸脱
市道路建設課によると、橋桁の撤去はクレーンでつり上げて行う計画でした。本来は、残ったコンクリートを先に取り除いて軽量化し、補強材を残したままにする手順が想定されていました。しかし、施工業者がコンクリートではなく補強材を撤去したため、橋桁の強度が著しく低下し、横倒れしやすい状況になったと説明されています。
業者は市に対し、「作業日数を早めるために安易に補強材を撤去してしまった」との趣旨の説明をしており、計画を無視した短絡的な判断が事故を招いたことが浮き彫りになりました。
市の対応と再発防止策
作業に過失があったとして、和歌山市は今年1月21日から1か月間、この業者を建設工事などの指名停止処分にしました。再発防止策について、市道路建設課の担当者は取材に対し、「計画通りに作業が進められているか、市の監督を強化していく」と述べ、今後の安全管理の徹底を約束しました。
落橋後は中断していた撤去作業は1月14日から再開され、2月9日までに現場での作業は完了しています。これにより、紀の川周辺の交通や航行への影響は解消されましたが、事故の教訓は今後の公共工事に活かされることが期待されます。
この事故は、施工業者のコンプライアンス意識の低さや、市の監督体制の甘さを露呈する事例となり、地域のインフラ管理における課題を改めて浮き彫りにしました。



