福島原発避難者の特定住所移転制度、登録数が年々増加し1万2千人超え
2011年の東日本大震災に伴う事故が発生した東京電力福島第1原発の周辺13市町村において、避難先などに住民票を移した後も元の自治体との関係を維持できる「特定住所移転者」の登録数が年々増加している。2023年4月時点で1万2656人に上ることが3月7日、福島県への情報公開請求により明らかになった。離れていても古里との絆を保ちたいと願う避難者が多いとみられる。
人口減少が進む中での自治体の取り組み
住民基本台帳のデータに基づく13市町村の日本人人口は、2025年1月時点で約45万8千人となっている。これは2011年3月末時点から約9万6千人減少した数値だ。現在も一部の地域で避難指示が継続している自治体もあり、実際の居住人口はさらに少ない状況が続いている。
人口減が深刻化する中、自治体側は広報誌や行政情報などを登録者に送付し、地域の情報を提供している。「将来的な帰還につなげたい」という期待を込め、現在の住民との交流事業やつながりを維持するための施策を推進している。
特定住所移転者制度の概要と背景
「特定住所移転者」は、避難指示が出された13市町村を対象とする原発避難者特例法によって規定されている制度だ。登録者に対して、元の自治体は定期的に広報誌や行政情報を送るほか、交流事業を実施するなどして関係の維持に努めている。
この制度の利用が増加している背景には、避難者が離れていても故郷との精神的・社会的な結びつきを大切にしたいという強い思いがある。震災と原発事故から10年以上が経過した今でも、多くの人々が福島との絆を維持しようと努力している実態が浮き彫りになっている。
自治体関係者は「登録者の増加は、地域コミュニティの継続的な関心の表れだ。情報提供や交流機会を通じて、将来的な帰還の可能性を探りたい」と語っている。今後も制度の活用が進むことで、避難者と地域の関係性がさらに強化されることが期待されている。



