巡視艇「あまかぜ」が解役、地球9.4周分の航海で海の安全を守り続けた31年間に幕
巡視艇「あまかぜ」解役、地球9.4周分航海で31年の任務終える

巡視艇「あまかぜ」が31年の任務を終え、解役式で惜別の時を迎える

京都府宮津市の宮津海上保安署前で3月5日、同署の巡視艇「あまかぜ」(26トン)の解役式が執り行われました。1995年1月から31年間にわたり宮津湾一帯の海域を航行し、海の安全を守り続けてきた船との別れに、海上保安官たちは深い感慨に包まれました。

地球9.4周分の航海と数多くの実績

式典では、大谷昭生署長(57)が「あまかぜ」の輝かしい実績を詳しく説明しました。この巡視艇は約37万7000キロを航海し、これは地球を約9.4周する距離に相当します。その活動内容は多岐にわたり、海難事故への出動は461件にのぼり、104隻の船舶と181人の人命を救助しました。さらに、海上犯罪の検挙件数は1004件に達し、海域の治安維持に大きく貢献しました。

大谷署長は式辞の中で、「苦楽を共にした乗組員はもとより、職員一同、惜別の念を禁じ得ない」と述べ、長年にわたる船との絆に言及しました。式のクライマックスでは、国旗と海上保安庁旗がゆっくりと降ろされ、船体に記された船型番号「CL65」がペンキで丁寧に消され、31年間の任務の終わりを象徴する瞬間となりました。

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ナホトカ号重油流出事故でも活躍

「あまかぜ」は、1997年に発生したロシアタンカー「ナホトカ号」の重油流出事故の際にも出動し、海面に浮かぶ重油の回収作業に従事しました。大谷署長は当時を振り返り、重油で汚れた船体を見た記憶を鮮明に語り、「よく30年も海の安全を守ってくれた」と感謝の言葉を述べました。この事故対応は、「あまかぜ」の長い歴史の中でも特に印象的な任務の一つとして関係者の記憶に刻まれています。

31年間、宮津の海を見守り続けた「あまかぜ」は、数多くの困難な任務を果たし、地域の海事安全に不可欠な存在でした。乗組員たちは、荒天時の救助活動から日常的なパトロールまで、あらゆる状況でこの船に頼り、信頼を寄せてきました。

新たな「あまかぜ」の就役へ

解役された「あまかぜ」に代わり、新しい「あまかぜ」が3月19日に就役する予定です。これにより、宮津海上保安署の巡視体制は新たな段階に入ります。関係者らは、これまでの実績を礎に、新たな船がさらに海の安全を守り続けることを期待しています。

この解役式は、単に一隻の船が役目を終えるだけでなく、31年間にわたる海上保安活動の歴史の一区切りを示すものでした。宮津の海と共に歩んだ「あまかぜ」の功績は、今後も地域の海事関係者や住民の記憶に残り続けることでしょう。

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