札幌爆発火災から1か月 被害住宅の修繕が進まず住民の生活再建に遅れ
札幌市手稲区で発生した爆発を伴う火災事故から、9日で1か月が経過しました。これまでに周辺の住宅や車庫など計85棟で被害が確認されていますが、被害を受けた住宅の修繕はほとんど進んでおらず、住民たちは生活再建の見通しが立たないまま、不便な生活を強いられています。
がれき撤去は始まるも修繕は停滞
9日午前、事故現場付近の札幌市手稲区西宮の沢では、市による道路上のがれき撤去作業が重機を使って開始されました。しかし、周辺住宅の壁や窓ガラスは壊れたままの状態が続き、応急処置として張られたブルーシートが寒風を防いでいる状況です。
現場から約50メートル南のアパート2階に住むパート従業員の西井まゆみさん(73)は、自宅の窓の一部が破損し、シートで覆っている状態を嘆きます。「早く修繕したいが、共同住宅なので自力で直すことができない」と語り、早期の対応を切望しています。
また、外壁にひびが入り、車庫のシャッターが開かなくなったという70歳代の男性は、「雪が解けないと被害全体の確認ができず、補償に向けた見積もりもとれない。そもそも補償してもらえるのだろうか……」と不安を口にしています。
ガス管の腐食が事故原因か
爆発火災が発生したのは2月9日の早朝で、火元の木造2階住宅が全焼し、住人の62歳女性が死亡、同居家族ら20~60歳代の男女が負傷しました。
事故現場付近にガスを供給している北海道ガスの子会社・北ガスジェネックスによると、火元住宅のガス管には直径約2ミリの穴が開いており、漏れたガスに引火して爆発が起きたとみられています。
注目すべきは、このガス管では2022年9月に点検員が腐食の兆候を確認し、補修を提案していたことです。しかし同社は「緊急性は高くない」として補修を見送っていました。事故直前には、一帯へのガス流入量が通常の2~3倍に増加していたことも判明しており、道警が詳細な事故原因を調査中です。
支援策と再発防止の動き広がる
被害を受けた住民への支援と再発防止に向けた取り組みも進められています。札幌市は自宅に住むことが困難な世帯に対し、手稲区内の市営住宅を3か月間無料で貸し出しており、現在2世帯4人が利用しています。また、区社会福祉協議会は甚大な被害を受けた3世帯に、災害見舞金として1万~2万円の支給を決定しました。
一方、北ガスジェネックスは先月19日から今月6日にかけて、同様のガス供給システムを使用する8145件を対象に緊急点検を実施。その結果、17件で少量のガス漏れが確認され、補修作業を完了させたと発表しています。
同社の担当者は、「被害に遭われた方々の救済と生活再建を最優先に、誠心誠意、対応を進めていく」と述べ、今後も住民支援を継続する方針を示しました。
市消防局のまとめでは、現場から半径約190メートル以内の住宅68棟、車庫や物置17棟、車10台で被害が確認されており、被害申告はまだ続いており、さらに拡大する可能性があります。雪解けを待つ住民たちの生活再建への道のりは、依然として厳しい状況が続いています。



