道路陥没防止へ国交省が自治体向け指針作成、空洞調査未実施率74%の実態受け
国土交通省は、道路下の空洞の有無を調べる「路面下空洞調査」について、新年度に自治体向けの指針を作成する方針を固めました。読売新聞の自治体アンケートでは、調査未実施率が74%に上り、自治体管理の道路での陥没事故が年1万件前後も相次ぐ要因の一つとなっています。国交省は、具体的な手法や優先して実施すべき路線の考え方を示すなどして、調査を促進させる狙いです。
空洞調査の手法と国の取り組み
空洞調査は、探査車が道路を走行しながら電磁波を照射し、地下の空洞の有無や規模を調べる方法で、地下2メートル程度まで探査できます。国直轄の国道については、国交省の各地方整備局などが独自に調査していましたが、昨年1月の埼玉県八潮市の県道陥没事故を受け、国交省は同年3月に国道向けの実施要領を作成しました。この要領では、「5年に1回以上」の頻度で実施すると定め、陥没の危険度を3段階で判定し、修繕の優先度が高い地点の住所を公表しています。
自治体管理道路の課題と未実施率の高さ
一方、都道府県や市区町村が管理する道路は、実施が自治体の判断に委ねられています。読売新聞が昨年12月から今年2月にかけて、全都道府県・市区町村に行ったアンケート(回答率89%)では、国のインフラ対策が強化された2013年度以降、自治体管理の道路での未実施率は74%に上りました。コスト面が大きな課題となっており、多くの自治体が調査を進められていない実態が浮き彫りになりました。
新指針の内容と優先実施路線の想定
こうした実態を踏まえ、国交省が新たに作成する自治体向け指針には、優先して実施すべき場所や頻度の指標となる考え方を盛り込む方針です。具体的には、以下のような路線で優先実施することを想定しています。
- 緊急輸送道路などの幹線道路
- 下水道などの地下埋設物が存在する路線
- 過去に事故が発生した路線
今後、全国の直轄国道での陥没や空洞について、原因や地下埋設物の敷設時期、地質などを分析し、指針作りに生かしていく計画です。
調査費負担軽減制度の創設
また、国交省は道路法を改正し、調査費の自治体負担を軽減するための制度を新年度にも創設する方針です。現在は、道路管理者の国や自治体が全額を負担していますが、合意があれば上下水道やガス管などの地下埋設物の管理事業者と負担を分担できるようにします。これにより、自治体の財政負担を軽減し、調査の促進を図る狙いがあります。
道路陥没は、交通安全やインフラ維持の観点から重要な課題であり、国交省の指針作成と制度整備が、全国的な空洞調査の拡大につながることが期待されます。



