クマ被害対策、全国31都道府県が2026年度予算で強化へ
2026年度の都道府県当初予算案において、31都道府県がクマ被害対策に向けた新規事業や既存事業の拡充を盛り込んだことが明らかになった。環境省の発表によれば、2025年4月から12月までのクマによる人的被害は、記録を確認できる2006年度以降で最多を記録しており、自治体の対応が急務となっている。
予算案の内訳と自治体の取り組み
47都道府県を対象に実施した調査では、北海道や新潟県など7道県が新規事業と拡充する事業の両方を実施すると回答。さらに、9府県は新規事業を、15都府県は新規事業はないものの拡充する事業を予算に計上している。
具体的な対策として、岩手県や山形県では、狩猟免許を持つ公務員「ガバメントハンター」を配置または育成する市町村に対して費用補助を行う計画を立てている。これにより、地域に根差した迅速な対応が可能となる見込みだ。
人材確保の動きとその効果
群馬県では、山本一太知事が昨秋、自ら狩猟免許を取得する意向を表明し、担い手確保の機運を高めた。この影響で受験希望者が大幅に増加し、県は受験者の枠を拡大する方針を打ち出している。担当者は「担い手の入り口を広げつつ、ベテラン向けの研修も実施していきたい」と語り、人材育成の両輪を強化する姿勢を示した。
環境省のデータでは、クマによる人的被害が過去最悪の水準に達していることから、実態調査や生息域の把握も重要な課題として浮上している。多くの自治体が、捕獲対応だけでなく、生態調査や予防策の拡充に予算を割り当てることで、総合的な対策を進めている。
今回の予算強化は、クマと人間の共生に向けた長期的な視点も反映されており、単なる緊急対応に留まらない持続可能な対策が求められている。今後も、自治体間の連携や情報共有を通じて、効果的な被害防止が期待される。
