神奈川県、東京都への水供給を半減 少雨でダム貯水率低下、30年ぶりの渇水対策
神奈川県、都への水供給半減 30年ぶり渇水対策 (05.03.2026)

神奈川県が東京都への水供給を半減 30年ぶりの渇水対策実施

昨年からの継続的な少雨傾向により、神奈川県は5日、東京都への水供給量を半減させる措置を開始した。県内の主要な「水がめ」である4つの湖の貯水率が大幅に低下したことが要因で、渇水に伴う都への分水制限は1996年以来、実に30年ぶりの事態となっている。

貯水率が過去10年平均の半分以下に

神奈川県企業庁によると、4日現在の県内4湖の貯水率は、三保ダム(丹沢湖)が38%、相模ダム(相模湖)が67%、城山ダム(津久井湖)が13%、宮ケ瀬ダム(宮ケ瀬湖)が34%となっている。4湖合計の貯水率は35%に留まり、過去10年間の平均値77%と比較すると半分以下という深刻な状況だ。

県企業庁は3日に渇水対策本部を設置。今後も少雨傾向が続く見込みであることから、水源の温存を図るため、東京都への1日あたりの分水量を約22万トンから約11万トンへと半減させることを決定した。この措置の実施期間は現時点では未定とされている。

東京都は代替水源で対応

分水量の半減を受けて、東京都は5日から主な水源である利根川水系と荒川水系からの送水量を増やす対応を開始した。都水道局の担当者は「送水を融通することで、神奈川県からの分水減少分をカバーできている。都民への給水には問題がない」と説明している。

しかし、東京都の重要な水源である小河内ダム(奥多摩町)の貯水率も5日現在で36.4%と低水準を記録しており、都は市民に対して節水を呼びかけている。水道局のウェブサイトでは、家庭で実践できる具体的な節水方法を掲載し、水資源の有効活用を促している。

歴史的な分水協力関係に影響

水量に余裕のある神奈川県は、東京都からの要望を受けて1959年から都への分水を実施してきた。前回の取水制限は1996年に実施され、その際も県民に対して節水が求められた経緯がある。県企業庁は今回の措置について「県民生活に直ちに影響を及ぼすものではない」としているが、長年にわたる水供給協力関係に異例の制限が加えられることになった。

気象状況の改善が見られない限り、分水制限が長期化する可能性も懸念されており、関係自治体は今後の降雨状況を注視しながら対応を検討していく方針だ。