復興庁の設置期限が2030年度末に迫る中、防災庁との統合案が浮上
東日本大震災からの復興は、地域によって再生の度合いが大きく異なり、行政ニーズは細分化が進んでいます。時間の経過とともに変容する被災地の実態を詳細に把握し、マンパワー不足が常態化している被災自治体を支え、多様な課題解決に取り組むことが不可欠です。
復興庁の役割と期限延長の経緯
復興庁は、「復興の司令塔」として2012年2月に発足し、自治体からの要望や相談を一元的に引き受け、省庁間の調整役を担ってきました。当初の設置期限は2020年度末とされていましたが、政府は期限を10年延長し、第3期復興・創生期間の最終年度となる2030年度末に迎えます。
東日本大震災以降、国内各地で甚大な自然災害が頻発していることを受け、政府は今年11月に防災庁を創設する方針です。防災庁は、平時から対策を検討する事前防災を推進し、災害発生時には復興庁と同様に、復旧・復興までの司令塔機能を担うとしています。
設置期限後の在り方を巡る議論
設置期限が残り5年となる中、期限の再延長や、防災庁に復興庁の機能を統合させる案などが浮上しています。高市早苗首相は本紙などのインタビューで、「復興庁と協力できる部分は協力し、それぞれの政策課題に取り組む。設置期限以降の在り方は、復興の状況を見ながら適切に判断する」と述べました。
東京電力福島第1原発の廃炉作業や、除染で出た土壌の県外最終処分など、これから数十年間取り組まなければならない課題が多く残されています。未曽有の原子力災害に見舞われた福島県の復興完遂は、国に課せられた重大な責務です。これまでの進捗状況は十分とは言えず、県や市町村の意向を踏まえ、道半ばの復興を加速させられる体制が求められています。
財源確保と新たな拠点の開設
設置期限に合わせ、復興事業に活用する東日本大震災復興特別会計も廃止となるため、自治体などから財源の見通しを懸念する声が上がっています。政府は、第3期復興・創生期間以降の財源確保策についても早期に示すべきです。
復興庁は新年度、浪江町と富岡町にあった福島復興局の2支所を統合し、双葉町に新たな拠点「福島復興浜通りセンター」を開設します。職員40人体制で、生活環境の整備や住民帰還の促進、産業再生に取り組むとしています。
住民帰還の実現に向けた課題
政府は、希望者全員の帰還を2020年代に実現させる方針を掲げています。新年度以降、特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域にある双葉町などの「特定帰還居住区域」の一部で、段階的に避難指示が解除される見通しです。
これは2020年代の帰還実現の試金石となります。復興庁は現場で住民の声を丁寧に聞き取り、希望する全ての人が安心して暮らせる環境を整え、方針を順守するよう強く求めたいところです。



