高市首相、復興庁の2030年度末以降も機能存続を表明 福島復興の継続に政府の責任を強調
高市早苗首相は6日、復興庁が設置期限を迎える2030年度末以降も、政府内で福島県の復興を担う機能を存続させる考えを明らかにした。東京電力福島第1原発事故に伴う除染で発生した土壌の県外最終処分や廃炉作業など、重要課題の克服には長期にわたる取り組みが不可欠であり、政府の責任で復興を全うする姿勢を鮮明にした形だ。
被災地の実情に精通した人材の確保が焦点に
被災地の実情に精通した人材の持続的な確保を含め、復興に向き合い続ける体制をどう構築するかが今後の焦点となる。東日本大震災と原発事故から15年となるのを前に、福島民友新聞社など被災3県の地方紙4紙による合同取材に応じた高市首相は、政府内では現時点で2030年度末以降の復興機能を巡る議論が表面化していないとしつつも、「福島県の復興に向けた取り組みや、復興庁が今果たしている役割はいささかも損なわれることのないよう対応していく」と強調した。
復興の進展状況を踏まえた適切な判断を約束
機能の在り方を巡っては、「さまざまな課題を何としても解決するという決意で臨む」と位置付ける第3期復興・創生期間(2026~2030年度)での復興の進展状況を踏まえ、「適切に判断していく」とした。一方で、政府が今年11月に創設を目指す防災庁を巡り、復興に関わる識者からは「防災庁に復興庁機能を統合するのが望ましい」との意見も聞かれるが、高市首相は「復興庁と防災庁で協力できる部分は協力しながら、それぞれの政策課題に取り組むことを基本とする」と述べるにとどめた。
復興庁の歴史と今後の課題
復興庁は「復興の司令塔」として2012年2月に発足し、当初の設置期限は2020年度末だった。しかし、政府は長期化する原発事故の影響などに対応するため、期限を10年延長した経緯がある。2030年度末の設置期限に合わせ、復興事業に活用する東日本大震災復興特別会計も廃止となるため、被災地では復興に影響するとの懸念が高まっている。高市首相の今回の表明は、こうした懸念を払拭し、政府が復興に責任を持ち続ける姿勢を示すものと受け止められている。
