勤務中のトイレ時間まで記録「離席記録」に社員苦痛 パワハラとの線引きは
トイレ時間まで記録「離席記録」に社員苦痛 パワハラ線引きは

トイレの時間まで細かく記録 愛知のメーカー子会社で「離席記録」問題

勤務中に自席を離れた際、その時間と理由を詳細に記録した「離席記録」の提出を上司から指示され、愛知県内のメーカー子会社の男性社員が強い苦痛を訴えている。この記録には、トイレ利用の時間が分単位で記載され、大便と小便の区別まで含まれていたことが明らかになった。

「08:09 コピー」「09:22~24 トイレ(小)」 29日間分の詳細記録

問題となった会社は、大手部品メーカーの子会社で、従業員数は約2千人規模。男性社員は昨年1月から4月にかけて、エクセルで作成した離席記録を上司に提出していた。

記録内容は、「印刷」や「稟議書返却」といった通常業務に加え、トイレ利用が詳細に記されていた。具体的には「08:09 コピー」「09:22~24 トイレ(小)」といった記載が続き、計29日間分にわたって記録が作成された。

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男性は4月以降、この記録を1週間ごとに計4回、上司の部長にメールで送信。しかし、5月初旬に部長の指示で記録提出は中止された。男性は「トイレの報告は上司から指示された」と訴えているという。

会社側は「必要な労務管理」と説明 上司の指示は「確認されず」

メーカー側の広報部門は取材に対し、男性について「頻繁かつ長時間の離席」を指摘する声が職場で上がっており、「必要な労務管理」のために上司が離席記録を指示したと説明した。

ただし、トイレの記載に関する具体的な指示については「上司の指示は確認されなかった」と述べている。部長は4月、男性から送られてきたトイレ記載の記録メールに対し、「内容確認しました、特に気になる点はありません」と返信していた。

さらに5月には、課長に対して「一旦これで記録をやめましょう。状況確認はお願いします」とのメールを送付。記録提出の中止を指示していたことが分かった。

専門家「ケースによってはパワハラの可能性」 労働管理の境界線が焦点

この事例について、労働問題の専門家は「状況によってはパワーハラスメントに該当する可能性がある」と指摘する。生理現象であるトイレ利用まで詳細に報告させる行為が、業務上の必要性を超えて社員の尊厳を傷つける恐れがあるためだ。

労働者の行動管理はどこまで許されるのか。企業の労務管理権と従業員のプライバシー権のバランスが改めて問われる事案となっている。近年、職場でのハラスメント問題が社会的に注目される中、適正な管理手法の確立が急務となっている。

この問題は、単なる一企業の事例を超えて、現代の労働環境における管理と個人の権利の関係性について深く考えるきっかけを提供している。企業側は効率的な業務運営を求められる一方で、従業員の心身の健康と尊厳を守る責任も負っている。

今後の展開として、労働基準監督署や専門家による実態調査が進められる可能性もあり、同様の管理手法を採用している他の企業への影響も懸念される。労働者と雇用者の双方が納得できる、バランスの取れた管理システムの構築が求められている。

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