育休復帰後の配置転換は「無効」、男性社員がパナソニックリビングに勝訴 東京地裁が判断
育休復帰後の配置転換無効 男性社員が勝訴 東京地裁

育休復帰後の配置転換は「無効」、男性社員が勤務先に勝訴 東京地裁が判断

2026年2月18日、東京地裁(矢崎達也裁判官)は、育児休業から復帰後に外勤営業職から内勤職への配置転換を命じられたのは不当だとして、男性社員が勤務先のパナソニックリビング(東京)を訴えた訴訟の判決を言い渡しました。判決は、配転命令を無効と認め、会社側に対して20万円の慰謝料と未払い分の手当約15万円などの支払いを命じる内容となっています。

判決の詳細と背景

判決によると、男性社員は2022年10月から翌年1月まで育児休業を取得しました。職場復帰の際、入社時から担当してきた外勤営業職から内勤職に変更する配転命令を受け、月約5万円の外勤手当も支払われなくなったことが問題となりました。この配置転換により、男性は経済的な不利益を被ったと主張し、訴訟を提起したのです。

東京地裁の判決は、まず育児・介護休業法などを踏まえ、育休を理由にした不利益な扱いを禁じる規定を重視しました。その上で、復帰時に配転を命じる場合には「業務上の必要性が、労働者の不利益を相当程度上回る必要がある」との考え方を明確に示しました。これは、企業の人事権行使に一定の制約を課す重要な判断基準となっています。

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配転命令の無効性と具体的な理由

判決は、男性に対する配転命令について詳細に検討しました。その結果、「営業職として復帰させることで連絡や発注のミスが起きる具体的な危険は認められず、配転の必要性は抽象的なものだ」と指摘しました。つまり、会社側が主張する業務上の必要性が十分に立証されていないと判断したのです。

さらに、外勤手当の不支給につながったことから「著しい不利益を負わせた」として、配転命令は無効だと結論づけました。この判断は、育休復帰後の労働者保護を強化する先例となり得るものです。判決では、男性が内勤職として働いた3カ月分の外勤手当約15万円と、慰謝料20万円の賠償を会社側に命じ、労働者の権利を擁護しました。

男性育休の課題と社会的な影響

この訴訟は、男性の育児休業取得が増加する中で、復帰後の職場環境や待遇に関する課題を浮き彫りにしています。判決は、育休を取得した労働者に対する不当な扱いを戒め、企業に公平な対応を求めるメッセージを発信しました。近年、男性の育休取得率は上昇傾向にあるものの、復帰後の配置転換や賃金面での不利益が問題視されるケースも少なくありません。

東京地裁の判断は、こうした状況に一石を投じるものであり、今後の労働紛争や企業の人事政策に影響を与える可能性があります。育児休業制度の充実とともに、復帰後の労働条件の確保が重要な課題として認識されるようになるでしょう。この判決を通じて、労働者の権利保護と企業の社会的責任のバランスが改めて問われることになりました。

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