子どものスマホデビューで悩む保護者へ 専門家が語る「制限より大切な親子の対話」
この春、入学や進級を機に子どもにスマートフォンを持たせ始めた家庭は多いだろう。保護者は何に気をつければ良いのか。ネット・ゲーム依存症の予防や回復支援に取り組む団体「MIRA-i」の所長で、公認心理師の森山沙耶さんに聞いた。
スマホ利用の低年齢化が進む現状
スマートフォンの利用は確実に低年齢化している。こども家庭庁が実施した「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、11歳ではスマホ利用率が50.8%と半数を超え、13歳では84.4%に達する。塾や習い事を新しく始めるタイミングで、親との連絡手段として持たせるケースが目立つという。
「持ち始めが最も重要」と専門家が強調
森山さんが特に強調するのは「スマホを持ち始める時期が極めて重要だ」という点だ。法律では18歳未満の子どもがスマホを使う場合、有害サイトへのアクセスを制限する「フィルタリング」の初期設定が義務付けられている。
しかし、それだけでは不十分だと森山さんは指摘する。「使用可能な時間や場所、許容されるコンテンツやアプリについて、親子で事前にしっかり話し合う必要があります。どこまで許容でき、どこからがダメなのか。あいまいなまま使い始めると、後々トラブルが発生しやすくなります」と語る。
想定されるトラブルとその対策
子どもたちは情報共有のスピードが速く、大人が気づかないうちに思わぬ問題に発展することもある。例えば、知らないうちに有料サービスを利用して高額な請求が来たり、SNSで見知らぬ人とつながっていたりするケースが報告されている。
森山さんは「スマホを購入すると決めた段階で、総務省が公開している『インターネットトラブル事例集』や学校で配布される啓発リーフレットなどを活用し、想定されるトラブルを子どもと一緒に確認しておくことが大切です」とアドバイスする。
親子で決めるスマホルールのポイント
スマホ利用に関するルールを設定する際には、一方的に親が決めるのではなく、子ども自身が納得できる形で話し合うことが肝心だ。具体的には以下の点に注意したい。
- 利用時間の明確化:平日と休日で区別し、学習時間や睡眠時間を確保できる範囲で設定する。
- 使用場所の制限:食事中や寝室への持ち込みを禁止するなど、家庭内でのルールを決める。
- コンテンツの制限:年齢に不相応なアプリやゲーム、SNSの利用を制限する。
- 緊急時の対応:トラブルが発生した時にすぐに相談できる環境を整えておく。
森山さんは「フィルタリングなどの技術的な制限も重要ですが、それ以上に親子の対話を通じて信頼関係を築くことが、長期的な安全な利用につながります」と結んでいる。



