編み込み髪形を「特異」と強制解かせた高校に改善勧告 大阪弁護士会が人権侵害を厳しく指摘
大阪弁護士会は2026年3月16日、大阪府立河南高校(富田林市)に対し、体育祭で編み込み髪形の女子生徒に校則違反として無理やり髪をほどかせた行為について、改善勧告を正式に行った。校則で禁じた「特異な髪形」に当たるのか事前の説明もないまま、恐怖心で表現の自由を制約する不適切な指導は人権侵害だと明確に判断した。
体育祭当日の強制的な指導と生徒たちの恐怖体験
勧告書によると、当時3年生だった女子生徒2人は2022年6月、体育祭の応援団として他の生徒たちと一緒に編み込みの髪形にしていた。校則では「特異な髪形」が禁じられていたが、前年の文化祭でも同じ髪形をしている生徒が複数いたため、校則に反しないと考えていたという。
しかし教員らは体育祭当日、髪を根元から細かく編み込む「コーンロウ」のような髪形を「特異」だと一方的に判断。校内放送で生徒たちを集めて髪をほどくよう大声で指導した。応援団長だった女子生徒は拒否したが、毛先を束ねたゴムを外され、任されていた開会式の宣誓もできなかったという。
さらに別の女子生徒は男性教員が駆け寄ってきたため、恐怖から女子トイレの個室に逃げ込んだ。すると女性教員が個室を上からのぞき、出るように強く指導。生徒はやむなく編み込みをほどき、午後から体育祭に出たという。
弁護士会が指摘する憲法違反と教育方針からの逸脱
団長だった生徒と保護者が人権救済を申し立てていたことを受け、大阪弁護士会は詳細な調査を実施。「何が特異か」や校則での禁止理由を説明せずに言うことをきかせたのは、文部科学省が定める指導方針に明確に反すると指摘した。
さらに憲法が保障する自己決定権や表現の自由も侵害する行為であり、「生徒から思考を奪い、とにかく従うしかないという発想を導く」と厳しく批判。教育現場における人権尊重の重要性を改めて強調した。
同校は取材に対し「勧告書が届いておらずコメントできない」と回答しているが、弁護士会は速やかな対応と再発防止を強く求めている。
背景にある岸和田だんじり祭の編み込み文化と校則問題の広がり
この問題では、大阪府岸和田市のだんじり祭に参加する女性の「コーンロウ」のような編み込みが関連している。女子生徒らは「地肌はそこまで見えていなかった」などと大阪弁護士会に説明しており、地域の伝統的な髪形と校則の矛盾が浮き彫りになった。
近年では「ツーブロック禁止」や「靴下は白」など細かすぎる校則が問題視され、子どもを苦しめる「かくれ校則」の存在も指摘されている。今回のケースは、校則の運用が行き過ぎて基本的人権を侵害する危険性を具体的に示した事例として、教育関係者に大きな警鐘を鳴らすものとなった。
大阪弁護士会は、学校現場における校則の見直しと、生徒の権利を尊重した適切な指導の徹底を引き続き求めていく方針を示している。



