大阪府の外国人向け高校入試、受験者倍増で予算8倍に拡充へ
大阪府が実施する外国人向け高校特別入試で、今春の受験者数が前年比1.8倍に急増し、340人に達した。これを受け、府は2026年度に向けて予算を8倍に拡大し、受け入れ態勢の強化を急いでいる。この制度は、海外から来日した生徒を対象にした全国的に先進的な取り組みだが、コロナ禍後の来日生徒の急増に対応しきれない現状が浮き彫りとなっている。
募集枠を大幅に上回る応募、不合格者が急増
特別入試は、小学4年生以上で来日した生徒が対象で、英語、数学、作文(母語可)の試験を実施。8校計132人の募集枠に対し、340人が受験し、111人の不合格者が出た。過去3年間は不合格者が20~30人台だったが、今回は大幅に増加。一部の学校では定員割れを補う「回し合格」も行われたものの、対応が追いつかない状況だ。
対象校の一つ、大阪わかば高校(大阪市生野区)では、20人の募集枠に43人が受験。回し合格を含め32人が合格したが、新年度には日本語指導が必要な生徒が約150人に上る見込み。高階章一校長は「毎年、募集枠を超えた入学者があり、日本語担当教員の確保が難しい」と指摘。国語科教員が中心となって日本語指導を担っている現状を踏まえ、「府には日本語専門の教員採用を検討してほしい」と要望している。
府の対応策、予算拡大とサポーター派遣の強化
不合格者は3月中・下旬の一般選抜や2次選抜に回るが、府立高校全体では、約800人の生徒が日本語指導を必要としており、少数ずつ散在する傾向が進むと予想される。受け入れ態勢が不十分な高校が多い中、府教育庁は新年度予算で対応を急ぐ。
府は「サポーター」派遣を6千回に拡大するなど、支援体制の整備を進める。しかし、現場からは国や府に対して、より一層の受け入れ態勢の拡充を求める声が強まっている。この問題は、移民・外国人関連の教育政策として、人権や共生の観点からも注目を集めている。
今後の課題としては、日本語指導の専門人材の確保や、多様な背景を持つ生徒への継続的な支援が挙げられる。大阪府の取り組みは、全国の外国人受け入れ教育のモデルとなる可能性があるが、予算と人員の面でさらなる強化が求められている。



