大阪教育大学が付属中高の再編検討を開始 新たな中高一貫校設立も視野
国立大阪教育大学(大阪府柏原市)が、付属中学校・高等学校の組織再編に向けた本格的な検討を始めたことが明らかになりました。同大学は、大阪市天王寺区と平野区に所在する付属中高を統合し、新たな中高一貫校を設立する可能性も含めて、2026年度中に具体的な構想を取りまとめる方針を打ち出しています。
少子化と志願者減少が背景 高校では定員割れも発生
大阪教育大学は、この再編検討の背景について「少子化の進行と入試の志願状況を踏まえて判断した」と説明しています。同大学が設置する付属中高は近年、志願者が減少傾向にあり、特に高校部門では深刻な状況が続いています。
具体的には、平野校舎の今年度入試では定員割れが発生するなど、各校舎で受験者数が募集定員に満たない年があることが確認されています。この傾向は一時的なものではなく、構造的な課題として認識されています。
既に定員削減を実施 さらなる再編へ
大阪教育大学は昨年3月、天王寺と池田の両中学校について、2026年度から入学定員を144人から108人に削減することを発表していました。高校部門でも2029年度から、定員を160人から120人に減らす計画を明らかにしています。
今回の再編検討は、こうした部分的な対応を超え、付属中高全体のあり方を根本から見直すものとなります。特に注目されるのが、天王寺区と平野区にある中高を統合し、新たな中高一貫校を設立する可能性です。
大阪府の高校授業料無償化も影響 私立志向が強まる
志願者減少の要因としては、少子化に加えて、大阪府が独自に進めている高校授業料無償化政策の影響も指摘されています。同府は2024年度から無償化を段階的に実施しており、2026年度には1年生から3年生までの全学年が対象となります。
大阪府公立中学校長会が実施した進路希望調査によると、府内で私立高校を第一志望とする生徒の割合は、2026年度入試で29.74%に達することが予測されています。これは2024年度の25.97%から上昇しており、私立志向が強まっていることが明らかです。
3校の小中高を設置 教育環境の再構築へ
大阪教育大学は現在、大阪市の天王寺区、平野区、そして池田市内に計3校の小中高を設置しています。平野地区にはさらに幼稚園と特別支援学校も併設されており、多様な教育機関を運営しています。
今回の再編検討は、こうした教育環境全体を見据えたものであり、単なる規模縮小ではなく、質の高い教育を維持・発展させるための戦略的再編として位置付けられています。2026年度中にまとめられる構想では、具体的な統合スケジュールや新校の教育方針などが詳細に示される見通しです。



