大阪市の5月分水道料金のお知らせ票に、「大阪市で先生になろう!」という広告が掲載されている。これは初の試みで、市教育委員会は「教員不足解消の一助になれば」と期待を寄せている。6月分にも同様の広告が掲載される見込みだ。
広告の内容と狙い
広告では、市立幼稚園・小中学校の講師を募集している。教員免許を持ちながら教職に就いていない人を対象としており、育児などで教員を辞めた人や定年後の元教員を含む「ペーパーティーチャー」の発掘を目指している。
掲載場所と経緯
広告が掲載されたのは、大阪市水道局が使用水量や水道料金を知らせる「ご使用水量等のお知らせ」の裏面左半分のスペース。通常は「水道管の凍結にご注意ください」といった水道関連のお知らせが掲載される。市の他部局の広告や民間企業の有料広告が掲載されるのは年に数回程度だが、今回は無償で実現した。
担当者の思い
今回の広告は、市教育委員会の教職員人事担当係長、増田成仁さん(46)が25年間勤めた古巣の市水道局に依頼し、実現した。増田さんは2025年度から現担当となり、お知らせ票の活用を思いついたという。
教員不足の背景
教員不足は全国の自治体に共通する課題であり、大阪市も例外ではない。文科省の調査によると、公立学校の教員不足は3827人と4年前の1.8倍に増加しており、地域によって差がある。教員採用試験の倍率は過去最低の2.9倍、受験者数も約11万人と最少を記録している。こうした状況を受け、大阪市教委は新たな手法で人材確保に乗り出した。
増田さんは「水道料金のお知らせは多くの家庭に届くため、効果的な広報手段になると考えた。少しでも多くのペーパーティーチャーに教職を検討してもらえれば」と話す。市教委は今後も継続的な広告掲載を検討している。



