東京都の小池百合子知事は5日、東京都庁での定例記者会見において、東京都23区内の大学が学生数を増やすことを制限する定員規制について、「きわめて不合理な制度」と強く批判した。この規制は、若者の東京一極集中を防ぐ目的で2018年に導入されたもので、学生数の定員制限に加え、学部の新設や郊外キャンパスとの統合も制限されている。2028年度末までの時限措置とされているが、政府は4日に有識者会議を立ち上げ、延長の是非を検討し始めた。
小池知事「根拠がない」と主張
小池氏は会見で、「23区の大学定員の抑制が地方の活力向上につながるのか。まったく根拠がない」と述べ、規制の効果を疑問視した。東京都の試算によれば、首都圏の1都3県以外の地方の大学への進学者割合は、規制導入前の2000年以降、約6割で推移しており、規制が地方への進学促進に寄与していないと主張している。
都が実施したアンケート結果
東京都は今年2月から3月にかけて、23区内にキャンパスを置く大学を対象にアンケートを実施。回答した大学のうち41校が「規制の影響を受けた」と回答した。具体的には、IT・デジタル関連の人材不足に対応するための新学部設置を見送った事例が報告されている。
人材不足への懸念
小池氏は、AIや半導体などの成長分野において、「2040年には120万人以上の人材が不足するという推計もある」と指摘。その上で、「人材育成の中核を担う大学がこの規制によって厳しい状況にある。規制をまず撤廃し、国全体で人材育成を進めるべきだ」と語気を強めた。
一方、都幹部からは「小池知事と高市首相のパイプが…」との声も漏れるなど、国との調整が課題となっている。都は税収格差是正の議論も絡めて、規制撤廃に向けた動きを活発化させている。



