方言学の専門家・篠崎晃一教授が最終講義 東京女子大で20年の研究成果を発表
篠崎晃一教授が最終講義 方言学の20年を振り返る (06.03.2026)

方言学の専門家・篠崎晃一教授が東京女子大で最終講義を開催

方言学の専門家であり、本紙夕刊でコラム「方言探偵団」を連載してきた東京女子大教授の篠崎晃一さん(68歳)が、今月末をもって教壇を降りることになった。長年にわたり、各地の方言の魅力や時代とともに変わる日本語の面白さを伝えてきた篠崎教授は、3月14日に最終講義を実施し、「東京女子大での20年間にわたる研究成果を伝えたい」と意気込みを語っている。

千葉県出身の研究者としての歩み

篠崎教授は千葉県出身で、1983年に千葉大学を卒業後、都立大学大学院で本格的に方言研究を開始した。地元の千葉では、後天的な痣を「あおなじみ」と呼ぶが、研究者になるまではこれが方言であることに気づかなかったという。篠崎教授は、「共通語よりも意味が細かく分かれていたり、単純に共通語に置き換えられなかったりする方言の面白さを感じた」と振り返り、この体験が研究への情熱をかき立てたと述べている。

方言チャートの公開と広がり

2006年に東京女子大に教授として着任した篠崎教授は、2013年にゼミ生らとともに、全国各地で行ったフィールド調査の成果をまとめたサイト「方言チャート」を公開した。このサイトは、「ほうきで『はわく』と言うことがありますか?」など、方言に関する質問を通じて出身地を判別するもので、これまでに延べ1000万人以上が利用している。現地調査と回答者からのフィードバックを組み合わせることで、より詳細な方言の使用実態に関するデータを収集してきた。

コラム「方言探偵団」の親しまれる解説

本紙夕刊のコラム「方言探偵団」は2013年にスタートし、各地の様々な方言をテーマに、その由来などをわかりやすく解説してきた。読者から親しまれ、方言への関心を高める役割を果たしており、篠崎教授の研究活動の一環として重要な位置を占めている。

時代とともに変化する方言

長年の研究の中で、篠崎教授は時代によって変化する方言にも注目してきた。例えば、「うざったい」という言葉は、元々多摩地方で「気味が悪い」という意味で用いられていたが、不快感を表す部分が強調されるようになり、若者を中心に「煩わしい」や「面倒くさい」などの意味で全国に広まったという。篠崎教授は、「最近の若者もSNSやメールで、共通語だけを使うと文章がマンネリ化すると感じられるので、インパクトを与えるために方言を使うこともあるのではないか」と指摘している。

最終講義で最新の方言事情を解説

3月14日の最終講義では、「方言チャートからみる方言の今」と題し、チャートを通じて集めたデータを分析し、最近の方言の使用実態について解説する予定だ。篠崎教授は、「方言は広告で使われるなど、地域活性化の有効なアイテムとして価値が高まっている」と強調し、今後の抱負として、「実際に『方言探偵団』を組織し、地方の若者と連携して情報を集めるといったこともできれば」と語った。

講義の詳細と参加方法

最終講義は、3月14日午後2時から3時半まで、杉並区の東京女子大学24号館2階の24202教室で行われる。事前申込制で参加は無料であり、申し込みは専用フォームから可能だ。篠崎教授は、研究者としての歩みを振り返り、方言学の未来への期待を込めて講義に臨む。