教職課程大学の14%、性暴力防止授業を未実施
教員免許を取得できる教職課程を設置する大学のうち、14%に相当する111大学が、児童生徒への性暴力防止に関する授業や研修を実施していなかったことが、3月16日に文部科学省の調査で明らかになりました。この問題は、教員による児童生徒性暴力防止法の趣旨に反する状況として、教育関係者から懸念の声が上がっています。
法律で義務付けられた措置
教員による児童生徒性暴力防止法は、教職課程を履修する学生が性暴力防止についての理解を深めるための措置を、大学側に義務付けています。同法は2022年に施行され、施行から3年後を目途に見直しを検討することが定められています。文科省は昨年11月から今年2月にかけて、教職課程のある全国の819大学を対象に、取り組み状況について詳細な調査を実施しました。
調査結果の詳細
調査によると、性暴力防止の授業を教職課程内で実施している大学は619校、教職課程外で実施している大学は89校でした。一方、実施していない111大学の内訳を分析すると、1年以内に実施予定がある大学は88校でしたが、残る23大学は実施予定がなく、その理由として以下の点が挙げられました。
- 担当できる専門的な教員がいないこと
- 義務ではないと誤認していたこと
- カリキュラムに組み込む時間的余裕がないこと
文科省の今後の対応
文部科学省は、今回の調査結果と有識者からの意見を踏まえて、性暴力防止に関する基本指針を改定する方針を固めています。さらに、教職課程認定の要件の一つに性暴力防止授業の実施を加えることで、すべての大学が確実に取り組むよう促すことを検討しています。この措置により、将来の教員が児童生徒への適切な対応を学ぶ機会が保障されることが期待されます。
教育現場における性暴力防止の重要性が高まる中、大学の教職課程が果たす役割は極めて大きいと言えます。文科省は、法の趣旨を徹底し、すべての教育機関で実効性のある対策が講じられるよう、継続的な指導と支援を行っていく構えです。



