プロダンサーが指導、中学生130人が創作ダンスを披露 バッハのフーガから着想を得た表現
埼玉県志木市の志木第二中学校で3月5日、ダンサー・振付家の中村蓉(よう)さんによるダンス授業の成果発表会が開催されました。1年生約130人が参加し、バッハのフーガ作品などに着想を得た創作ダンスを保護者や近隣の小学生に向けて披露しました。
県芸術文化振興財団の事業「MEET THE DANCE」の一環
この取り組みは、彩の国さいたま芸術劇場を運営する埼玉県芸術文化振興財団が2014年に開始した事業「MEET THE DANCE~アーティストが学校にやってくる!」の一環として実施されました。中村さんは2月10日から全7日間にわたり、生徒たちに体の動かし方からダンスの創作までを丁寧に指導してきました。
授業では、旋律が重なって繰り返されるフーガの特性から「逃げる」というイメージを膨らませ、非常口の誘導灯に描かれる人型のマークにちなんだ物語を考案しました。生徒たちは数人ずつのグループに分かれて踊り、「逃げる」ポーズの人が重い過去を背負っていたり、SFの世界に飛び出したりと、奇想天外な世界観を身体全体で表現しました。また、いすを使った大人数のダンスも演じ、個性的な動きで観客を魅了しました。
生徒たちの成長と気づき
参加した青木花梨菜(かりな)さんは「絆が深まり、羞恥心の殻を破ることができた」と笑顔で語りました。吉田晟(じょう)さんは「一人一人が自分の動きに自分らしさを出し、互いを尊重できていた」と振り返り、グループでの協調性と個性の両立を実感した様子でした。
中村さんは指導を通じて「みんなが割り切れない殻のようなものが、7日間で1枚1枚はがれていった。ダンスは人の心を解き放つ力があると再確認できた」と手応えを語りました。このプロジェクトは、単なるダンス技術の習得だけでなく、自己表現の喜びや他者との協働を通じた成長を促す教育的な意義も持っていました。
発表会には保護者だけでなく、近隣の小学生も招待され、地域コミュニティにおける芸術教育の広がりも見られました。志木第二中学校では、今後もこうした芸術家との協働プログラムを継続し、生徒の創造性育成に取り組む方針です。
