福井県初の夜間中学が開校 10代から80代まで15人が学び直しに挑戦
福井初の夜間中学開校 10代から80代まで15人が挑戦

福井県初の夜間中学が開校 多様な背景を持つ15人が新たな学びの一歩

福井県内で初めてとなる夜間中学「県立若杉中学校」が4月7日、福井市において開校式および入学式を挙行した。この歴史的な日には、10代から80代までの15人の新入生が集い、それぞれの思いを胸に新たな学習の旅立ちを迎えた。

最高齢84歳の武内さん「再挑戦」と決意

入学式では、石田由紀子校長(57歳)が「これまでやりたくてもできなかったこと、諦めていたことに一緒に挑戦していきましょう」と熱い呼びかけを行った。会場には大きな杉の木の絵が設置され、新入生たちが各自の目標を記した紙を貼り付けるセレモニーが実施された。

最高齢の新入生である武内正二さん(84歳・福井市在住)は「再挑戦」という言葉を掲げた。高校は卒業したものの、入院のため中学校に通えなかった時期があり、最近では引きこもりがちな生活を送っていたという。武内さんは「若い人たちと交流し、共に学びたい」という思いから入学を決断した。

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入学式後のホームルームで、真新しい教科書を手にした武内さんは「モノクロの教科書しか知らない世代なので、カラーの教科書に驚きました。内容も教え方も全く違うと思うので、とても楽しみです」と笑顔で語った。

3つのコースで個別対応 国籍も多様な一期生

県立若杉中学校は、県立道守高等学校の施設を活用して設置された。生徒たちは昼間の中学校と同様の教科を学ぶが、一人ひとりの希望や学習状況に応じて、小学校の内容の復習や日本語学習も可能な3つのコースに分かれて授業を受ける。卒業時期については、生徒との相談を経て校長が判断する柔軟なシステムを採用している。

近年の夜間中学は、日本語を学びたい外国人や不登校経験者の受け皿としても期待されている。文部科学省の2024年度調査によると、福井県内の中学校における不登校の生徒数は1,075人で過去最多を記録。また、県内在住の外国人も2025年12月末時点で20,772人と過去最高となっている。

若杉中学校の一期生15人の中には、ブラジル、ロシア、ペルー、中国出身の4人の外国人も含まれている。入学式で生徒代表として挨拶したブラジル人の須田アンドレッサさん(38歳)は「新入生の中には久しぶりに学校に来る方もいれば、私のように日本語を学びたい方もいます。お互いに助け合いながらたくさん勉強し、中学校生活で成長したいです」と意気込みを語った。

国の方針に沿った設置 多様性あふれる学びの場へ

国は2027年度までに全ての都道府県および政令指定都市での夜間中学設置を目指しており、福井県教育委員会も2024年2月に設置を決定。その後、学校説明会や体験授業を実施して生徒を募集し、体験授業への参加や校長らとの面談を経て入学が決定した。

石田校長は「若杉中学校は、年代も国籍も学習状況も多様な方々が集まる新しい学校です。笑顔であふれ、若い杉のように夢や目標に向かって真っすぐに伸びていく学校を、皆さんとともに目指したいと思います」と抱負を述べた。

福井県初の夜間中学開校は、学び直しを希望するあらゆる年代・背景の人々に門戸を開く重要な第一歩となった。多様な生徒たちが共に学び、成長していく姿が今後期待される。

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