JR四国、2026~30年度に運賃値上げ方針を発表 物価高・人件費増で再改定へ
JR四国、2026~30年度に運賃値上げ方針を発表

JR四国、2026年度から運賃値上げを実施する方針を決定

JR四国は3月31日、2026年度から2030年度までの中期経営計画を発表し、計画期間中に運賃値上げを実施する方針を盛り込んだ。同社は2023年5月に消費増税に伴うものを除くと27年ぶりの運賃改定を実施しており、今回で2度目の値上げとなる見通しだ。

物価高・人件費増加が背景 四之宮社長が理解を求める

四之宮和幸社長は記者会見で、「物価高や人件費の増加が、前回の計画策定時から5年前では考えられない状況で進展している」と指摘。「鉄道事業の使命を果たしていくため」として、再度の値上げに理解を求めた。会見は高松市で行われ、運賃の再改定について詳細な説明がなされた。

輸送需要減少の中での経営戦略

新計画では、四国の人口減少により輸送需要が今後も減少傾向が続き、生活様式の変化でコロナ前の水準には戻らないと分析。鉄道事業について「さらに体質改善を進める」としている。

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2021年に策定された計画では、2030年度の鉄道運輸収入を235億円としていたが、今回の計画では245億円に引き上げられた。四之宮社長は、運賃改定に加え、インバウンド(訪日外国人客)の増加や駅前の再開発に伴う需要を取り込むことで「達成可能だ」と述べた。

前回値上げの効果と今後の見通し

JR四国は2023年5月に全路線で運賃を平均約13%値上げしている。2024年度の「輸送密度」(1キロ当たりの1日の平均利用者数)はコロナ禍前の2019年度の9割程度だが、鉄道運輸収入は233億円で、2019年度の224億円を上回った。同社は「おおむね想定通りの増収効果があった」と評価している。

国交省の支援と経営自立への道筋

一方、国土交通省は2026~30年度、JR四国に対し設備投資などで計1025億円を支援すると発表。2031年度には国からの支援がなくとも経営自立するよう行政指導も行った。

今回の計画では、2030年度のグループ連結売上高を900億円と設定。ホテルや不動産など鉄道以外の事業を強化するとし、前回計画の600億円から上積みした。ただし、国の支援で設備投資を進めると減価償却費が増加し、2030年度連結決算の経常利益は42億円の赤字になると見込んでいる。

持続可能な経営を目指して

JR四国は、減価償却費のコストや国からの支援分を除いた2030年度の経常的な利益を90億円とする目標を設定。達成すれば、2031年度以降、鉄道事業の設備投資を自前で実行でき、持続可能な経営ができるとしている。

四之宮社長は、「鉄道の使命を果たすためには、安定した経営基盤が不可欠だ」と強調。値上げ方針について、地域住民や利用者への丁寧な説明を続けていく意向を示した。

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