JR地方路線120区間で乗客数が半減、中小私鉄も厳しい経営環境に直面
共同通信がJR各社の公表資料を分析した結果、利用者が少ない地方路線において、120区間で乗客数が半減するなど、厳しい実態が明らかになりました。中小私鉄の経営環境も同様に苦境に立たされており、地域交通網の存続が懸念されています。
輸送密度が2千人未満の区間で顕著な減少
JR旅客6社のうち、東海を除く5社は、在来線の1キロ当たり1日平均乗客数(輸送密度)が2千人未満の区間の状況を公表しています。1980年代と2024年度を比較すると、データを取得できた132区間のうち120区間で平均乗客数が50%以上減少していました。特に東北地方などでは、90%以上も乗客が減った区間も確認されています。
直近の収支を見ると、これらの区間ごとの損益は軒並み赤字状態であり、持続可能な運営が困難な状況が浮き彫りになっています。地方路線の利用者減少は、人口減少や自動車依存の高まりなど、様々な要因が絡み合っていると考えられます。
中小私鉄も経営不振、インフラ老朽化が深刻
JR以外の鉄道事業者も同様に経営不振に悩んでいます。国土交通省が「地域鉄道」と分類する一部の中小私鉄などでは、2023年度に96事業者のうち80事業者が鉄軌道事業の経常収支ベースで赤字を計上しました。これは、地域の足としての役割を果たしながらも、収益性の低さに苦しむ実態を示しています。
さらに、各事業者のインフラ老朽化も深刻な問題です。トンネルの44%、橋梁の82%が耐用年数を上回っており、安全面や維持管理コストの面で大きな課題を抱えています。このような状況は、鉄道サービスの質の低下やさらなる経営圧迫につながる恐れがあります。
地域交通網の未来に向けた対策が急務
乗客数の半減と経営赤字が続く現状は、地方路線の存続そのものを脅かす可能性があります。対策として考えられるのは以下の点です。
- 需要に応じたダイヤ改正や運転本数の見直し
- 観光資源との連携による利用促進策
- 国や自治体からの財政支援の強化
- 老朽化したインフラの更新計画の早期実施
地域住民の移動手段を確保しつつ、持続可能な運営を実現するためには、官民一体となった取り組みが不可欠です。今後の動向に注目が集まります。



