バス運転手の体調不良事故防止へ 非常ブレーキボタン導入が加速 2026年までに普及拡大
バス運転手の体調不良事故防止 非常ブレーキボタン導入加速

バス運転手の体調不良事故防止へ 非常ブレーキボタン導入が加速

路線バスや長距離バスにおいて、運転手が運転中に体調不良を起こした場合に、乗客でも操作可能な「緊急停車ボタン」を備えた車両の導入が急速に進んでいる。この取り組みは、運転手の高齢化が進む中、運転中の体調不良に起因する事故が相次いでいる現状を背景として、2026年までに普及を拡大させる計画が進められている。

非常ブレーキボタンの作動メカニズムと安全性

いすゞ自動車が製造するバス「エルガ」では、運転席の後方に設置された「非常ブレーキ」と表示されたボタンを押すことで、緊急停車システムが作動する。ボタンが押されると、日本語と英語によるアナウンスが車内に流れ、約3秒後に緊急ブレーキが作動を開始。ボタン押下から約12秒後には、バスがゆっくりと安全に停車する仕組みとなっている。

このシステムは、ドライバー異常時対応システム(EDSS)として知られ、運転手が体調不良などで運転継続が困難になった際に、乗客が迅速に対応できるように設計されている。バスが完全に停止した後には、車内外に向けて「非常ブレーキが作動しました。駐車ブレーキをかけてください。警察、救急に連絡してください」といった指示アナウンスが自動的に流れる。

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運転手の異常を自動検知する先進技術

非常ブレーキボタンは、乗客がアクセスしやすい位置に加えて、運転席にも設置されており、運転手自身が操作することも可能だ。さらに、車内カメラやセンサーを活用した自動検知機能を搭載したバスも登場している。

例えば、いすゞ自動車の路線バス「エルガ」には、運転手が一定時間にわたって突っ伏したり、のけぞったりするなどの異常な姿勢を検知するカメラが装備されている。このカメラが異常を感知すると、システムが自動的に非常ブレーキを作動させ、事故の未然防止を図る。2026年2月には、神奈川県藤沢市でこうした技術を実装したバスの実証試験が行われ、その有効性が確認されている。

導入背景と今後の展望

非常ブレーキボタン搭載バスの増加は、以下のような社会的要因に支えられている。

  • バス運転手の高齢化が進み、運転中の体調不良リスクが高まっていること。
  • 過去に発生した運転手の体調不良による事故が社会問題化し、安全対策の強化が求められていること。
  • 自動車メーカーや運輸事業者が、先進技術を活用した事故防止システムの開発に積極的に取り組んでいること。

2026年を目処に、非常ブレーキボタンや自動検知システムを標準装備するバスの導入がさらに加速すると見込まれている。これにより、乗客の安全確保とともに、運転手の負担軽減にも貢献することが期待されている。

この動きは、公共交通機関全体の安全性向上に向けた重要な一歩であり、今後の技術革新や規制強化を通じて、より広範な普及が進む可能性が高い。関係者によれば、システムのコスト削減や操作の簡素化など、利用者視点での改善も継続的に検討されている。

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