交通遺児への支援拡充へ 政府が2026年度に給付金大幅増額と療護施設改修を実施
政府は2026年度から、自動車事故の被害者に対する支援策を大幅に拡充する方針を固めました。特に、親を失った交通遺児に支払われる育成給付金の額を引き上げるほか、障害を負った人々がリハビリテーションを行う「療護施設」の大規模な改修工事にも本格的に着手します。
自賠責保険特別会計への一括返還で原資確保
今回の支援策拡充の背景には、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料を管理する特別会計への資金流入があります。国の一般会計から5千億円超が一括で返還されることが決定し、被害者救済のための原資が大幅に増加することになりました。
40年ぶりの大幅見直しとなる育成給付金
現在、交通遺児への育成給付金は、子どもの年齢に応じて月額3万2千円から7万円が支給されています。しかし、国土交通省によれば、この金額は1980年頃から大きな見直しが行われておらず、実質的な価値が低下している状況でした。
一括返還が決まったことを受け、政府は現行の給付金から大幅な増額を目指して調整を進めています。具体的な増額幅については、今後詳細な検討が行われる見通しです。
全国4か所の療護施設の老朽化対策
自動車事故で重度の意識障害を負った人々が一時的に入所する療護施設についても、大規模な改修工事が計画されています。まず手始めに、千葉療護センター(千葉市)のリハビリスペース拡張などを含む改修工事に着手します。
療護施設は全国に4か所設置されており、千葉のほか宮城県、岐阜県、岡山県にも存在します。しかし、国土交通省の調査によると、いずれの施設も老朽化が進行しており、利用者にとって十分な環境が確保できていない状況です。
このため、政府は2027年度以降に、これらの施設を順次改修していく計画を立てています。改修工事では、手狭となっているリハビリテーションスペースの拡大や、最新の医療設備の導入などが検討されています。
被害者支援の新たな枠組み
今回の支援策拡充は、自動車事故の被害者とその家族に対する長期的な支援体制を強化することを目的としています。特に、親を失った子どもたちの経済的負担の軽減と、障害を負った人々の社会復帰支援に重点が置かれています。
政府関係者は「自賠責保険の原資増加を機に、これまで手が届かなかった分野への支援を拡大したい」と述べており、今後の具体的な施策の展開に注目が集まっています。



