広島県尾道市と世羅町が、一度は導入を断念した自動車のご当地ナンバー「尾道」について、再び取得申請を目指す動きが活発化している。世羅町商工会は9日開会の町議会定例会に導入を求める請願を提出し、会期中に採択の可否が審議される見通しだ。町内で合意が形成されれば、両市町は協議会を設立するなどして、取得に向けた準備を進める方針である。
ご当地ナンバー取得の要件
ご当地ナンバーの申請に必要な登録台数は、現在軽自動車を含め単独自治体で12万台以上、複数自治体で8万5000台以上と定められている。尾道市の軽自動車を含む登録台数は約9万5000台、世羅町は約1万5000台で、共同申請すれば要件を満たす計算となる。
過去の経緯と再挑戦の背景
尾道ナンバーを巡っては、2022年に尾道市議会が導入推進を求める市内15団体の請願を全会一致で採択した。一方、世羅町議会では2023年、飲食組合などが提出した請願が賛成5、反対6で不採択となり、取得申請は見送られていた。行政関係者によると、昨年、国の意向調査が行われた際、尾道市の平谷祐宏市長や市議会議長らが世羅町議会や商工会に協力を呼びかけたという。ナンバーは「尾道」としながらも、図柄は町の意向を反映させる形で協議を進める方針を示した。
今後のスケジュールと期待
尾道市は既に請願を採択しているため、世羅町での合意形成が図られた後、協議会設置などの手続きを進める。導入スケジュールとしては、希望自治体が年内に国へ意向を表明し、来年冬に図柄案を提出、2029年5月頃に交付開始が予定されている。平谷市長は読売新聞の取材に対し、「世羅と尾道は歴史的に深いつながりがある。ナンバー導入を機に観光や産業、医療など様々な分野で連携を深め、一緒に発展したい」と期待を語った。一方、世羅町の奥田正和町長は「議会の意思が町民の意思なので、まずは議会の判断を待ちたい」と述べている。
ご当地ナンバー制度とは
ご当地ナンバーは、独自の地域名や図柄を表示できる制度で、国土交通省が2018年に導入した。今年4月には4年ぶりに募集が開始された。交付が始まった対象地域で新車や中古車を購入すると新ナンバーとなり、既存の車両は旧地域名のナンバーをそのまま使用できる。



