自転車の交通違反に「青切符」制度が4月1日から開始
自転車の交通違反に対して交通反則切符(通称・青切符)を交付する新制度が、4月1日から全国でスタートする。近年増加傾向にある自転車事故を背景に、道路交通法が改正されて導入されたもので、対象は16歳以上の自転車利用者となる。市民の間ではどのような場合に交付されるのか関心が高まっており、警察は制度の周知徹底に力を入れている。
113種類の反則行為が対象、ながらスマホは即時交付
青切符が交付される反則行為は全部で113種類に及ぶ。しかし、違反が確認された場合でも、即座に切符が交付されるわけではない。大半のケースでは口頭での指導や警告にとどまり、違反が繰り返されたり継続されたりする場合に限って交付される仕組みだ。
即時交付の対象となるのは、スマートフォンを使用しながら運転する「ながらスマホ」、遮断された踏切への立ち入り、ブレーキがない自転車での走行など、重大な事故につながる危険性が高い違反行為である。一方、飲酒運転やあおり運転などの悪質な違反、または違反が原因で事故を起こした場合は、従来通り刑事処分の対象となる交通切符(赤切符)が交付される。
歩道走行の判断基準と例外規定
自転車利用者からは「この場合は違反になるのか」という疑問の声が多く寄せられている。特に歩道走行に関する質問が目立つ。自転車は道路交通法上「軽車両」に該当するため、原則として歩道走行は違反となり、車道の左側を走行する必要がある。
ただし、以下のような例外状況では歩道走行が認められる:
- 交通量が多く車道幅が狭いなど、事故の危険が高い場合
- 車道に複数台の車両が駐車している場合
- 70歳以上の高齢者が運転する場合(常時認められる)
いずれの場合も、車道寄りを徐行することが求められる。幼児を乗せた「ママチャリ」を運転する保護者について、大阪府警の担当者は「ルール上は車道走行が必要だが、状況によって判断する。現実的にすぐに切符を切ることはない」と説明している。
スマホホルダーやイヤホン使用の扱い
都市部でよく見かける、スマートフォンをハンドル付近のホルダーに装着し地図アプリを表示しながら配達する自転車については、ながらスマホの「手に保持」した状態を指さないため、直接の違反にはならない。ただし、注視しすぎて前方不注意となった場合は「安全運転義務違反」として青切符の対象となり得る。
イヤホンで音楽を聴きながらの運転も違反行為に該当するが、片耳だけの使用など周囲の音が聞こえる状態であれば問題ないとされている。未成年者が本人確認証を持っていない場合は、自宅を訪問して保護者に本人確認を行うなどの対応が取られる。
高校生への啓発活動を強化
大阪府警は特に高校生への啓発に力を入れている。16歳以上は原付きバイクの免許が取得できる年齢だが、実際に保有している者は少なく、交通ルールに関する知識が不十分であると判断しているためだ。
府警本部は府内の高校生と協力し、青切符制度のポイントをまとめたポスターを製作。3月19日には大阪市北区の路上で、生徒たちが通行人に向けて啓発活動を実施した。参加した高校1年生(16歳)は「友人にもルールを伝えて事故や違反を防ぎたい」と語っている。
府内の警察署には、自治会や老人会などからの説明会依頼も多数寄せられている。府警担当者は「交通ルール自体が変わったわけではなく、違反に対する手続きが変更されただけ。反則金や取り締まり件数を増やすことが目的ではない。安全運転を意識してもらいたい」と強調している。
警察庁は公式ホームページで、113種類の反則行為や取り締まりの考え方をまとめた「自転車ルールブック」を公表しており、市民の理解促進に努めている。
青切符とは:交通違反時に警察から渡される「交通反則告知書」の通称。用紙が青色であることからこう呼ばれる。告知書を受け取った後、反則金(3,000円から12,000円)を金融機関の窓口などで納付する。比較的軽微な違反が対象で、刑事処分ではないため起訴されず前科も付かない。これまでは自動車やバイクにのみ適用されていた制度である。



