成田空港の滑走路新増設計画、2029年3月共用開始が延期へ
成田国際空港(千葉県成田市)で進められている滑走路の新増設計画について、当初予定していた2029年3月からの共用開始が延期される見通しとなったことが関係者への取材で明らかになった。用地取得の難航が主な要因であり、2月下旬の時点で全体の約1割が未確保のままとなっている。
用地確保率が低迷、目標達成は「極めて厳しい」
運営を担う成田国際空港会社(NAA)は、所有地と公用地を除く民有地743ヘクタールについて、地権者との売買契約を進めてきた。しかし、2月20日時点での確保率は88.4%に留まり、NAAが掲げていた「今年度末にめど」という目標の達成は困難な状況だ。一部の地権者からは計画自体への理解が得られておらず、NAAの藤井直樹社長は「極めて厳しい状況」との認識を示している。
NAAは近く、金子恭之国土交通大臣にこの状況を報告する予定だ。計画の遅延は、空港の機能強化と年間発着枠の拡大に影響を及ぼす可能性が高い。
「機能強化」計画の詳細と現状
「機能強化」と名付けられたこの計画では、既存のB滑走路(2500メートル)を北側に1000メートル延伸し、その南側に3本目となるC滑走路(3500メートル)を新設する。完成すれば、年間発着枠は現在の34万回から50万回に増加し、空港の処理能力が大幅に向上する見込みだ。
本体工事は昨年5月に着手しており、順調に進んでいたが、用地確保の遅れが全体のスケジュールに影を落としている。新増設には合計で1099ヘクタールの用地が必要で、その大部分が民有地に依存していることが課題となっている。
今後の見通しと影響
用地取得の難航は、地権者との交渉が長期化していることに加え、地域の理解が十分に得られていないことも背景にある。成田空港は過去にも用地問題で紛争を経験しており、今回の計画でも同様の課題が浮き彫りとなった。
共用開始の延期が正式に決定すれば、空港の混雑緩和や国際競争力の強化に向けた取り組みが後退する恐れがある。関係者は早期の解決を目指しているが、現状では不透明な要素が多く、今後の進展が注目される。
成田空港の拡張は、日本の航空インフラ整備の重要な一環として位置づけられており、政府や地方自治体も協力を求められることになりそうだ。



