厄介なアオサを「資源」に変える泉南市の挑戦 大学・企業と連携し有用化学品を生成
アオサを資源化 泉南市が大学・企業と連携し化学品生成

厄介な海藻アオサを「資源」に変える泉南市の挑戦

大阪府泉南市が、神戸大学や地元企業と連携し、砂浜に大量に漂着する厄介な海藻「アオサ」を有用な化学品の原料として活用する共同研究に取り組んでいる。この取り組みは、環境負荷の低減と地域経済の活性化を同時に実現する「一石二鳥」のプロジェクトとして注目を集めている。

腐敗による悪臭が観光に深刻な影響

泉南市によると、2024年夏に再開された「タルイサザンビーチ」海水浴場では、準備段階から大量のアオサが漂着。腐敗による悪臭が発生し、「このままでは海水浴や観光に深刻な影響を与えかねない」状況に陥っていた。市はアオサを回収して乾燥・焼却処理を進めてきたが、塩分や砂を多く含むため焼却炉の劣化を招くなど、新たな課題が浮上していた。

発想の転換で「廃棄物」から「資源」へ

解決のヒントとなったのは、アオサを「廃棄物」ではなく「資源」と捉える発想の転換だ。2025年7月、泉南市は神戸大学、同大学発のスタートアップ企業「光オンデマンドケミカル」、メタンガスプラントなどを手がける「ヴァイオス」(和歌山市)の4者で共同研究を開始した。

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採取したアオサをヴァイオスのプラントで発酵させてメタンガスを回収。さらに光オンデマンドケミカルの技術を用いて、ポリウレタンの原料となる「イソシアネート」などの有用化学品を合成することに成功したという。

第2期では給食の食べ残しも活用

昨年12月の報告会では、「アオサから自動車のクッションや農薬、医薬品の原料ができる」との期待の声が上がる一方で、「メタンガスの回収量は目標値まで達しなかった」との課題も報告された。

共同研究の「第2期」として、今年1月には市内のし尿処理施設にプラントを設置。漂着アオサだけでなく、給食の食べ残しや野菜くずなどを活用して有用化学品を生成するとともに、量産化や事業としての採算性についても検証を進めている。

泉南市は「焼却処理している物を投入して資源に変えることで環境負荷を低減し、地域経済の活性化にもつなげたい」と意気込みを語っている。この取り組みが成功すれば、全国の海岸で問題となっているアオサ処理に新たな道筋を示す可能性がある。

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