海洋プラスチックごみ問題を体験的に学べる教育施設「世界海洋プラスチックプランニングセンター」(愛称「PLA PLA」)が、佐賀県唐津市の波戸岬に開設された。オープン当日の7日には、県と海外7か国の政府関係者が問題解決に向けた連携を確認するとともに、訪れた家族連れらがプラスチックごみの現状について理解を深めた。
景勝地・波戸岬のごみ問題
波戸岬は「日本の渚100選」に選ばれた景勝地として知られるが、海流や季節風の影響で主にアジア圏から漁具やペットボトルなどの大量のごみが漂着する。プラスチックは分解されず数百年にわたって残留するため、海洋生態系や漁業、観光に深刻な影響を及ぼすことが懸念されている。
センターの概要と取り組み
センターは、この問題を視覚的に体験できるよう県が波戸岬に整備した。センター長には海洋環境研究の第一人者である大嶋雄治・九州大学名誉教授が就任。県は今後、センターを拠点に九州大学や早稲田大学との共同研究や国際シンポジウムの企画を進める方針である。
国際意見交換会
同日、唐津市内のホテルでは、センターのオープンに合わせて県がトンガ、ベトナム、オランダ、タイ、中国、韓国、カナダの領事らとの意見交換会を開催。引馬誠也副知事が海洋環境保全へのアプローチについて問題提起した。
各国の代表者からは多様な意見が出され、オランダは「産官学連携の取り組みが重要」と表明。トンガは「教育を継続し、人材育成を含めた未来につなげる体制構築が重要」と述べた。タイは「環境問題への対応は地域から始まる。センターはその好例」と評価した。
韓国からは「観光と環境保全の取り組みを連携させれば効果が大きい」とエコツーリズムとの連動が提案され、中国は海を越えた協力やプラスチック再利用の新アイテム開発の有効性に言及した。
体験プログラムと来場者の声
センターではオープン初日から家族連れが訪れ、海岸に漂着したごみやプラスチック製の道具・漁具の展示を見学。海洋プラスチックごみを使ったキーホルダー作り体験プログラムも用意され、子どもたちが赤や青のプラスチック片をイカの形に加工する作業に取り組んだ。
福岡市から訪れた小学5年の児童(10歳)は「海辺を歩くとプラスチックがよく落ちている。作ったキーホルダーは家の鍵につけたい」と話していた。



